平成15年度 Topへ戻る |
|
|
|
そこで,15年度より乳幼児健診アンケートの中に,「あなた(母親)自身のことについておたずねします」という項目をつくり,「STAI」項目の中で特に有意差のあった項目3点を加え,そして,スクリーニングであがったハイリスクな母親の受け皿として育児相談(月1回)にCAPNのメンバー(精神保健福祉士)を加え,個別面接の場を確保しました。健診時にはスクリーニングにあがった母親には詳しく話を聞く場を設け,必要に応じて訪問指導・育児相談など次の支援ルートにつないでいます。
|
||||||||||||||||||||||||||||||||
![]() |
そして,このことから親子が孤立せず,また,みんなで地域の子どもを育て,子育てを支援していく地域づくりを目指しています。 保健連絡員とは 小牧市には119の行政区があり,区長の推薦で各区に1〜3名の保健連絡員が選出されています。 保健連絡員は同じ地区に住む住民の健康のために,保健センターの専門職を活用しながら活動する健康ボランティアです。 赤ちゃん訪問実施方法 依頼から訪問・報告までの流れは下記の通りです。 訪問の結果,専門的支援,継続的支援の必要な親子に対しては保健センターの事業につなげて支援を開始します。
連絡員の皆さんも,この訪問がきっかけで同じ地区に住む親子に気持ちが向くようになり,訪問で知り合った近所の親子同士の橋渡しをしたり,また,ある連絡員は今まで訪問した赤ちゃんの写真を掲載した新聞を作成・回覧することで,新しく誕生した仲間が地区の中にデビューできたらと考えています。 生後2ヶ月までが育児に対して一番不安があったと多くの母親達が乳児健診の時に言っています。この時期までに連絡員が全戸に訪問し,その報告により早期に保健センターが支援を開始することができることは,虐待予防にもつながっていくと考えています。 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
![]() |
当市には,市全体のネットワーク会議が組織されておらず,保健センターでの定例会(月1回)と,必要に応じて行われる臨時の個別ケース検討会の2種類があります。虐待ハイリスクケースを取り上げるのは主に定例会で,児童相談センターの児童福祉士,保健所の保健師,児童課の保育士,学校教育課の相談員,保健センターの保健師が集まっています。
虐待の危険性の高いケースに関わるには,たいへんなエネルギーが必要になり,保健師自身が精神的に疲れ切ってしまい,こころが病んでしまいそうになることを経験します。また,今行っている援助が本当に適切なのだろうか?と疑問に思い,立ち止まってしまう時もあります。そのような時も,複数の関係者で関わっていれば,関係者間で“それでいいんだよ”というメッセージを出し合ったりして,スタッフ同士で支え合いながら何とか乗り越え,前に進むことができているのだと思います。 |
||||||||||||||||||||||||||
![]() |
会議の活動の内容として, (1)委員会の開催 (2)推進委員部会 (3)事例検討会 (4)教育福祉情報交換会 (5)連携会議 (6)出前講座 (7)地域子育てネット0〜6会議 に分かれており,委員としての参加及びケースに応じて地区担当の保健師が参加しています。 |
||||||||||||||
![]() |
1)基本的な母子保健活動の充実による子どもの虐待防止活動 大津市では,南北に細長い地形による行政効率の悪さを解消するための政策として,市内を6ブロックに分け,保健福祉の活動拠点相談窓口としてすこやか相談所を設置しています。平成4年度から10年度までに6カ所順次整備しました。 すこやか相談所整備前と昨年度の比較では,母子訪問の件数は約3倍(2,200件)に,子育て教室などの健康教育の回数は,4倍(約450回)に増加しました。また,母子保健法の改正により,県が実施していた3歳半健診,新生児訪問,妊婦教室を市の事業として実施しました。さらに新規事業として,両親教室,リプロヘルス健康教育(中学校での性教育や関係者の研修など),子育てが辛い親のためのグループミーティングを立ち上げました。 このような母子保健の基本的活動の充実を背景として,育児困難家庭との早期の出会い,重度化防止のための対応を,平成10年度に「子どもの虐待防止」に視点を据えて活動を展開しています。 2)子どもの虐待防止活動の実際 平成14年度の保健分野の虐待防止対象事例数は,予備軍も含めて74件であり,年々増加傾向にあります。具体的には,虐待防止担当を配置して,以下の活動を展開しています。
|
||||||||||||||||||||||||||||||
![]() |
また,逆に事前に虐待防止ネットワークなどで把握されていた人が,妊娠・出産した場合も同様に医療機関に連絡するシステムとなっています。連絡方法としては,連絡票を用いた場合と電話や面接などの口頭での連絡の場合もあります。医療機関から連絡を受け,支援を開始した経過については,必ず文書や電話にて担当者に報告します。 医療機関からの紹介理由は,半数以上が若年初産婦であり,その他産後鬱,強い育児不安,高齢初産婦などがあります。強く虐待が心配されるケースは今のところなく,保健師の個別対応で経過しています。
|
||||||||||||||||||||||||||||||||
![]() |
![]()
また,上の子がいるため,タッチケア講習会に参加しにくいなどという方には,家庭訪問時にタッチケアを紹介するといった柔軟な対応も必要と考えます。
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
![]() |
そこで,虐待または虐待に至る可能性の家族を,既存の母子保健事業の活用により早期に発見し,対応するシステムを検討し,虐待の発生を未然に防ぐ予防活動を充実させるということを目的として,徳島県では,平成14年度より虐待予防検討委員会を発足し,乳幼児健診に新たな虐待予防の視点を取り入れ,虐待の早期発見,援助方針の検討などについての試行事業を実施しました。 阿南市でもこの機会に乳幼児健診を見直し,問診項目を新たに追加し,健診会場では母親の話が十分に聞けるよう,今まで以上に配慮することにしました。 (問診追加項目) (1)子育ての相談者の有無 (2)子育ての協力者の有無 (3)子育て中のイライラ感の有無 (4)子どもの時愛された思いの有無 (5)悩みの有無 健診の後のカンファレンスで,要フォロー者の拾い上げをし,問題点の把握・虐待のレベル判断や援助目標・支援方法についてスタッフ間で検討し,共通理解をしました。また,必要に応じて関係機関との連携をとるようにしました。
今後の課題として,健診スタッフの充実や,要フォロー者への個別支援の質の向上,教室などのフォロー体制の充実,関係機関との連携の充実などが挙げられます。 以上のように問題は山積していますが,虐待予防検討会で各市町村の意見を聞きながら,今後もこの「虐待予防に視点をもった健診」を続けていく予定です。 |
||||||||||||||||||||
![]() |
平成15年度 Topへ戻る |
「健康日本21地方計画」モデル事例集へ戻る |