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平成14年度からの計画に基づく事業推進については,新規の「目玉事業」ということではなく,「再格付け」された保健事業を,計画の目標を確認しながら実施方法について改善・評価・再実施という方法で進めています。 具体的には,推進1年目は計画推進体制の整備として,地域での健康づくり推進の核となる保健推進員の増員(64人→73人),推進組織の設置(庁内:経営会議の部会としての健康づくり部会,庁外:地域栄養食生活連絡会,生涯歯科保健推進協議会など)を重点的に行い,3月には計画の進捗状況をまとめ,評価してみました。 2年目の平成15年度は,各自治会へ懇談の依頼をし,できることから懇談しています。また,健康づくり関係団体へも再度計画推進の考え方を示し,協力を依頼しました。地域においては,保健推進員協議会や食生活改善推進連絡協議会運動普及推進員等が自主的に活動する機会が増えてきています(地区健康教室の開催や重点保健事業に呼応した「歯にいいおやつの普及」などの栄養改善,タオル体操による運動普及など)。また,子どもの頃から正しい食習慣を身につけるための「食教育実践事業」や2歳児への「個別歯科健診」による齲歯予防などは,住民ニーズを専門的に検討し,方向付けをしていった成果の事業であると思います。 保健師は,行政の中で健康づくり事業の重要性を庁内外に理解してもらえるよう必要な予算を確保し,機会あるごとにアピールしていく必要があります。そのためにも,人や物をつなぐコーディネート能力や専門家として地域の健康づくりを支援する役割があると思います。
庁内においては,各種組織横断のプロジェクトチームに健康づくりの視点から保健師が意見を出せるようになりました。総合計画や町づくりの計画にも参画していますが,今後も色々な部署の方に理解していただけるように協力していきたいと思います。 |
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そのような中,宇都宮市では,これからの少子高齢社会を健康で活力あるものとしていくため,健康を増進し,病気の発病を予防する「一次予防」に重点をおいた対策を市民の住んでいる身近な地域の中で継続的に展開する施策として,「健康づくり実践活動」を推進しています。 この活動は,「健康で幸せなまちづくり」の実現を目指し,市民一人ひとりが「自分の健康は自分で守り,自分でつくる」という意識を持ち,自らが主体的に健康づくりに取り組むとともに,身近な地域の仲間や組織がともに活動する地域主体による健康づくりを実践することを目的としています。 施策の内容としては,(1)地域の健康づくりの核となる人材を育成する「健康づくり推進員養成講座の開催」(9日間で1コース),(2)健康づくり推進員が地域の中で健康づくり活動が円滑にできるよう「健康づくり活動の支援」と「健康づくり推進員の組織化」を図っています。 平成13年度から養成講座を開始し,現在354人が修了している中で,平成15年度は年間200人の推進員を養成することを目標にしています。 現在,健康づくり推進員は,平成13年度に選定した市内3地区のモデル地区を中心に親子クッキング,ストレッチ体操などの教室等の実施や各種団体と連携した地域のウォーキング大会などのイベントを開催するなど,地域住民を巻き込んだ自発的な活動を展開しています。 今後は,モデル地区のノウハウを活かし,市内の各地区において健康づくり推進員の活動が活発に展開できるよう支援していきたいと思います。 |
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このような状況の中,保健師・栄養士がいくら生活習慣病予防の各種教室や健康相談を開催したり,広報などでPRしても効果が結果として現れず,今までの保健事業のみでは限界が来ていました。保健事業の評価が単なる受診率で評価されることにも疑問を感じていたころ,「健康日本21」の理念が国の方から打ち出されてきました。今,蓮田市で必要な施策は,行政主導の旗振りではなく,市民と一緒に考えることからスタートする事なのではないかと感じました。 そこで地方計画の策定を通じて市民の生の声を聴きながら,市全域で一次予防を中心とした健康づくり運動を展開することにしました。
この企画はあくまでも計画書づくりが目的ではなく,策定の過程での人材育成や地域で健康づくりを支援する組織の育成が目的であることを確認し合いました。また,業者任せにせず,保健センター全体で取り組むことを申し合わせました。
保健センター発足当時からある健康づくり推進協議会を諮問機関として位置づけました。計画策定の機関としては,市内で活動している各種団体から検討委員を選出し,健康づくり検討会議を設置しました。 2)庁内の体制づくり 市の3カ年計画に掲載し,庁内の各部局への周知を行い,理解を求めました。平成13年度には市長施策となりました。 3)保健センター内の体制づくり 所長(課長):庁内の調整,関係機関への連絡,各課への依頼などを担当しました。 課長補佐:要綱作成を担当しました。 保健指導係:保健師・栄養士全員が関わり,ワークショップの中ではファシリテータ役となり,住民とともに考える場を共有しました。 4)県の保健所の体制づくり 保健所長は健康づくり推進協議会に委員として参加しました。 管理栄養士は,健康づくり検討会議に検討委員として参加しました。
平成14年1月に市民の健康情報を把握するため,20歳以上の男女2,000人を対象に「市民健康実態調査」を行いました。調査項目は,栄養・食生活,身体活動・運動,休養・心の健康,タバコ・アルコール,歯の健康,市の保健事業,健康観について調査を行いました。 同年1月に,アンケート調査では見えない健康づくりに対する生の声を聴くため,「生の声インタビュー」を検討委員会と行政職員とが一緒になって実施しました。 2)計画の策定 平成13年度は,行政と市民が目的を共有するために「こんな暮らしがしたい」という理想とする姿について,グループ毎に話し合いを進めました。行政も市民もその枠を超えて「健康」をテーマに話し合うそのプロセスを通じて,お互いの理解が深まり,全員一致で目的が共有されました。
に暮らしたいという願いが出され,この願いを基本理念として定めました。 平成14年度は,テーマ毎に食生活,運動,休養,母子の部会に分かれて目標,現状の把握,課題について話し合いを進めました。そして7分野の目標を設定し,その目標を達成するための具体的な行動計画を策定しました。検討委員として会議に参加した団体が,アンケート調査や「生の声インタビュー」を基に,それぞれ自分の団体が取り組める健康づくり事業を企画しました。それを,「健康はすだ21はなみずきさわやかプラン」と「団体が取り組む健康づくり計画書」(別冊)の2冊にまとめました。
誰もが心ふれ合いながら笑顔のあふれる食卓を実現する 2)身体活動・運動 楽しく続ける運動習慣を身につける 3)休養・こころの健康 楽しみや生きがいをもっていきいきと生きることができる 4)歯の健康 歯の健康に関心をもち,虫歯・歯周病予防に努める 5)アルコール 未成年の飲酒,成人においては多量飲酒をなくし,節度のある適度な飲酒をこころがける 6)たばこ たばこが健康に与える影響について,正しい知識の普及を図る 7)保健・医療 一人一人が健康に関心を持ち,自分の健康が更に増進するように行動できる。さらに地域全体で健康づくりを支援する体制を築く
ワークショップを通じて住民とともに考えたり悩んだりするプロセスは,住民対行政という垣根を越え,共に歩む仲間として行政施策を展開していく上で,新たな局面を生み出したと感じました。我々保健師だけでは解決しきれない課題を,住民参加の健康づくりを展開してみて,解決の糸口をつかんだと実感しています。また,平成13年度から14年度にかけて,住民と共に歩む中で何より保健師一人一人が大きく成長したと思います。
市内でそれぞれ活動していた各種団体が「健康づくり」というテーマで一つにつながり,団体の活動視野が拡大され,健康づくり運動の基盤が地域にできました。
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内容は,市内の精神障害者小規模通所授産施設や作業所,地域生活支援センター,病院デイケア,ボランティアによる活動紹介や作品展示販売,ミニコンサート,講演を実施しています。 平成15年度は,地域生活支援センターのバンドグループによるミニコンサート。講演は,「自分らしく生きる」〜心豊かに仲間と過ごせる居場所を求めて〜をテーマに,精神障害者共同作業所の所長とユーザーネットワーク・セルフケアグループ代表の方を講師に依頼しています。 主催は,実行委員会(精神障害者小規模通所授産施設・作業所5カ所,地域生活支援センター3カ所,病院デイケア6カ所,ボランティア2カ所,市精神障害者家族連合会,市精神障害者社会参加促進協議会,市保健所,市福祉保健センター3カ所)であり,周知用のチラシ・ポスターの作成や当日のパンフレット・講演録の作成も行っています。 保健師は,実行委員会の企画・運営が円滑に行えるよう関係機関との連携・調整に努めています。
また,参加者(市民)からは,「精神に障害のある方とふれ合うことができ,活動発表や講演(体験談)により,理解を深める機会となった」などの意見も聞かれています。 今後は,精神障害だけではなく,他の障害とも併せた事業の展開が重要と思われます。 |
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町民に主体的に健康づくりに取り組んでもらうことと,町の実情に応じた効果的な健康づくり計画を策定することを目的に,町の各種住民組織の代表者による「宇ノ気・健康なまちづくり委員会」を開催し,町民参画による健康づくり計画を策定しました。
○歯に関するアンケート(乳幼児・成人),喫煙と健康に関するアンケート(12年度に実施) ○生活習慣に関するアンケート 2)「うのけ・健康なまちづくり委員会」の設置と開催 平成13年7月〜14年1月 6回開催 各種住民組織から委員を選定し,9つの健康の領域ごとに健康課題を明確化,目標の設定,施策の検討を行い,計画を策定しました。 3)講演会を開催し,町民への健康づくりへの意識を高める 平成14年2月 町民憲章推進大会時の講演会開催に併せて健康づくり計画の周知をするとともに,分科会でワークショップによる町民主体の健康づくりについての意見交換を行いました。 4)町長への提言と,計画書の作成,町民への周知 平成14年2〜3月 委員会会長より町長への提言書に基づき,計画書を作成し,関係機関・組織に配布,同時にダイジェスト版(実践編)を作成し,全世帯へ配布,広報にも掲載し,町民への周知に努めました。 5)健康づくり計画に基づいた具体的な事業の実践 引き続き「うのけ・健康なまちづくり推進部会」の設置により,具体的な健康づくり運動の推進として,各団体の健康づくりへの取り組みの情報交換・協議と,連携事業として年1回「健康まつり」を開催するようになりました。
加えて,平成16年3月より3町が合併することにより,健康づくり計画の見直しと体制の整備を図ることが大きな課題です。 |
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和良村は人口2,377人,高齢化率34.9%の山間僻地に位置する村です。保健活動としては,村内唯一の医療機関である国保病院との連携の下,健診を中心として事業を展開してきました。しかしながら健康づくりに対する住民の主体性不足,住民の健康行動の支援方法に関する反省がありました。同時に「健康日本21」の開始,母子保健計画,高齢者保健福祉計画の見直し時期などが重なり,母子から高齢者の全ての世代において住民主体の健康づくりを推進するために,小回りがきき,住民の声が拾い上げやすい小さな村ならではの「手あかのついた保健計画」を立てようと「まめなかな和良21プラン」と銘打って事業を開始しました。(「まめなかな」は「お元気ですか」という意味です) 2)経緯 本計画の策定をはじめるきっかけとしては,「健康日本21」や「健やか親子21」の開始,母子保健計画,高齢者保健福祉計画の見直し時期などがありました。これ以外に(1)保健師が既存の枠にとらわれない村独自の保健計画を立てたいと願っていたこと,(2)地域医療に熱意のある医師がいたこと,(3)村の機構改革で保健福祉課ができ,スタッフの変更もあって心機一転取り組める雰囲気があったこと,(4)合併を控えてはいるものの村長が合併があるからこそ今の村に必要な計画を立てるべきであろうと支援してくれたこと,(5)保健所の協力が得られたこと,(6)補助金を利用できたこと,などが要因として働きました。 3)内容及び実施方法
「まめなかな健康調査」の実施
「まめやかな生活習慣実態調査」の実施
「まめなかなインタビュー」の実施
グループワークの実施 策定委員会や保健推進委員会などでラベルトーク(ポストイットにニーズを書き,模造紙に貼る)による健康づくりに必要な課題の抽出を行いました。 4)保健師の役割 保健計画策定における保健師の役割として,住民一人ひとりの健康に関する考えや保健行動に関するニーズを聞き出すこと,住民の方や策定委員会・各種団体の方が保健計画づくりに参加できるように,また,推進するように支援していくことが大切と思われます。 5)地域組織及び地域住民との連携 ・策定委員会の開催 ・各種団体会議での説明 ・村広報紙にてPR ・わらフェスタでのPR ・ダイジェスト版全戸配布 6)効果 得るべきQOLは「全ての世代の人々が,自分の状況にあった健康づくりを,家庭や地域の支援をうけながら実践し,この和良村で,いきいきと楽しくまめな生活を送ろう」となり,具体的な保健行動の項目は,1.栄養・食生活,2.運動(閉じこもり予防も含む),3.休養・心の健康,4.たばこ,5.事故防止,6.歯科保健 が選定されました。 地域・学校等から子どもの健康づくりのため,防煙・分煙対策が重要課題として取り上げられ,児童館・保育園・小学校・中学校敷地内の全面禁煙を開始しました。
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平成14年度「健康にしお21」計画を策定し,その計画を実行可能なものとするために,平成15年度に歯,栄養,運動,生活習慣病の4部会を立ち上げました。この部会は,「健康にしお21」計画策定の際,最終のワーキング会議の中でワーキングメンバーの承諾をとって立ち上げました。 2)内容 歯科推進部会 15年度はフッ素洗口についてのPRを重点的に進めるために,部会を3回開催しました。具体的には,保育園,幼稚園,小学校に対し,フッ素洗口啓発を兼ねてアンケートの実施と結果を還元しました。この事業を進める中で16年度フッ素洗口実施カ所が2カ所増えました。 生活習慣病推進部会
運動推進部会 15年度は,ウォーキングマップ作成と部会内での各団体の取り組み状況の確認を中心に行いました。 栄養推進部会 生活習慣病が乳幼児期からの食生活が大切であるという観点から,15年度は,保育園(モデル園2園)での栄養相談実施に向けて栄養士会と児童課が実施に向けて取り組みました。 3)保健師の役割 各部会において各課・団体との連絡・調整役と考えています。
今後の展望 今後,計画推進に向けて,推進部会を年数回必要に応じて開催することで,各課・団体の取り組みがスムーズに行われるよう,この推進部会がうまく機能できるようにしたいと思います。 |
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平成14年度に策定部会を立ち上げ,「小原村で元気でいきいきと暮らしていくために必要なこと」をテーマにグループワークを重ねました。策定部会員は,関係機関の代表者や専門職種であるとともに,住民の代表としてたくさんの意見を出し合い,『9つの願い』としてまとめました。そしてその『9つの願い』の実現には個人・地域・関係機関・行政それぞれの活動だけでなく,支え合っていくことが必要であると確認しあい,「みんなで支え合う笑顔のふるさと小原プラン」(以下「プラン」)が完成しました。 【計画の推進】 平成15年度に策定部会員と新たな関係機関の代表者や住民の代表者を加え,推進部会を立ち上げました。そして「プランを広める」ことと「歩くことの大切さを広める」ことを活動の目的として取り組んでいます。 「プランを広める」ために見やすく・親しみのある概要版を作成したり,ケーブルテレビで寸劇にしてプランができたことをお知らせしました。また,各種グッズを作成して多くの住民の目にとめてもらおうと工夫しました。うちわ・のぼり旗・ゼッケンなど推進部会員のアイディアとパワーで素敵なグッズができ,盆踊り・村民体育祭・福祉まつり・健康まつり「健康村」・四季桜ウォークラリー大会などの村内行事でプランの周知に活躍しました。 また,「歩くことの大切さを広める」については,ウォーキングでも,散歩でも,車椅子や手押し車を押しながらでもと自分にできるスタイルで実行することを広めようと考えています。
行政が「何か始めたぞ」ではなく,住民である推進部会員が「何かやってるぞ」という姿が住民にとっては身近に感じられているようです。 今後も「プラン」の周知を続けるとともに,「歩く」の実践の場を企画したり,関係機関への働きかけを工夫していこうと考えています。 |
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平成12年度から実施しているコンピューターヘルスチェック21において,女性の喫煙率が17.2%(大阪府12.2%,全国9.4%)と高く,14年度に「健康はんなん21」を策定するにあたって,「たばこ対策の推進」を重要課題の一つとして設定しました。また,14年度から実施している4ヶ月児健康診査時調査での妊産婦の喫煙状況においても,妊娠中の喫煙率15.7%(全国9.9%),4ヶ月児健診時点での母親の喫煙率18.4%と近隣市町村に比べて高い結果が出ました。 このような状況を踏まえ,母子保健事業におけるたばこ対策に取り組み始めました。 (1)妊婦への個別指導(母子健康手帳発行時,ママパパスクールにて) (2)4ヶ月児健康診査での喫煙調査・指導(集団指導でたばこの害を啓発・喫煙者に指導) (3)第1子訪問でたばこの害の啓発・喫煙者に指導 (4)親子登園において,保護者向けに健康教育(保健所の協力有り) (5)中学校での喫煙防止講習会(市立病院医師・保健所の協力有り。市内の公立中学校で実施) (6)公民館における親子カーニバルにおいて紙芝居を使用した子ども向け健康教育 (5)についてはケーブルテレビで放映され,事業のPRにもつながりました。事業の展開において,保健師は,企画・運営に携わっています。中学校での講演会においては,中学校・市立病院医師・保健所との連絡調整や,講演会前の意識調査(教諭・保護者・生徒対象),講演会後(生徒対象)の集計・分析も担当しています。 成果評価については,取り組み始めたばかりであることもあり,具体的な成果はあがっていませんが,講演会直後の感想においては,たばこの害,受動喫煙の恐ろしさを記入している生徒が多く見受けられました。 今後,上記の(1)〜(3)については継続的に実施し,(4)親子登園においては,紙芝居を使用し,子ども向け健康教育の実施を検討中です。また,喫煙に関する紙芝居や本の貸し出しをPRし,地域のサークル活動等と連携した啓発をも考えています。喫煙経験の低年齢化が進む中,小学校とも連携していく必要性を感じています。喫煙率の調査結果と併せて,事業・地域の評価につなげていきたいと考えます。 |
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参加型の教室を実施するにあたり,坂根直樹医師のアドバイスを受け,教室の運営を以下のように工夫しています。
また,教室修了後も合同のOB会として定期的に集まり,お互い継続を支え合うとともに,平成15年度の教室にも参加し,新しい参加者への生活モデルとなっています。さらに,参加者の家族や地域の関係機関へ成果報告会を開催し,参加者自身の頑張りだけではなく,家族や関係機関のサポートの必要性を認識してもらいました。このモデル事業は15年度で終了ですが,今後も継続して地域で取り組んでいく予定です。 |
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本計画は,心疾患,脳卒中,肺がん・大腸がんを中心とするがん予防を健康課題とし,さらに子ども期,壮年期,高齢期及び地域の各期の健康課題を掲げ,市と関係機関及び健康づくり推進組織活動を基盤とした市民の積極的な参画を得て,3者が一体となった健康づくり運動を総合的に推進しようとするものです。
「一次予防」,特に生活習慣の改善への取り組みは,個人の意欲だけでは限界があり,地区住民の組織的な取り組みと,市と関係機関の連携を緊密にとりながら推進していくことが求められています。 本市では,公民館単位での住民の主体的な健康づくりをすすめる組織(18地区組織)があり,その代表で組織する「健康推進地区連絡会」が,健康づくり推進母体として位置づけられました。地域での活動は,それぞれ特徴のある活動をしていますが,本計画の課題を共通目標に掲げ,(1)野菜を毎食とろう,(2)会議では禁煙にしよう,とあらゆる場で楽しく参加して,魅力ある活動を企画しながら健康について学べる機会をつくっています。 2)壮年期対策(職域保健部会の設置・フレッシュアップ事業) 壮年期の健康づくりは,いままで事業所や関係機関と連携した取り組みができていないことから,産業医,事業所,商工会議所の協力を得て,「職域保健部会」を設置しました。この部会を推進母体として,関係機関と連携を強化し,壮年期の健康づくりを推進します。 また,壮年期部会での声をもとに,20歳代からの健診の充実を目的に,フレッシュアップ事業を平成14年度より新規に実施しました。40歳未満の健診を受ける機会のない若い人たちが,健診を受けることで自分の身体を知り,生活習慣を見直し,さらに習慣を改善できるよう,本人及びその家族を含めた健康教室を夜間と休日に実施しました。参加者からは,生活を見直す良いきっかけになったとの声を聞くことができました。壮年期対策は,今後も施策の柱として継続して取り組みます。 3)子育て支援対策 壮年期の健康課題は,子ども期の課題に共通する点が多く,生活習慣の改善では子どもの頃からの一貫した取り組みを推進しなければなりません。さらに,子育てに不安を持つ母親の増加,孤立化,虐待など子育てを取り巻く環境も変わり,子育て支援対策が必要になっています。健康づくりの面から生活習慣病予防と子育て支援対策を推進していこうと,「外で元気に遊ぶごうつっ子」をイメージし,子育てが家族だけではなく,地域の人たち,ボランティアに囲まれて「安心して子育てができるまちづくり」を目指して,子育て絵本を作成しました。 計画策定での子ども部会を基盤に,地域で子育てに関わる市民の皆さん,ボランティアなどの協力で,平成14年から検討会を重ね,15年度に完成しました。今後は赤ちゃんとお母さんの読み聞かせ本として一人に一冊ずつ,保育所,幼稚園,小学校,図書館,公民館などにも配布したいと考えています。より多くの子どもたち,地域の方に読んでいただき,活用されることを願っています。
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健康日本21は,国民が主体的に取り組める健康づくり活動を支援していくための環境整備が重要な柱となっている。それを町全体・各地域の中で推進していくには,推進母体が必要です。 広瀬町においては, (1)10公民館を拠点とした健康づくりの組織がない (2)町全体の健康づくり推進協議会が動いていない という問題点がありました。 そこで,「健康ひろせ21」を各公民館単位で策定することにより, (1)住民の健康づくりに対する意識の向上 (2)公民館を中心とした健康づくり組織の育成と計画推進の母体づくり を目的としました。 2)内容
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そこで,穴吹町において住民が健康でいきいきと過ごせる町を実現するため,住民参画によるグループインタビューや健康に関するアンケート調査結果をもとに,みんなでつくる健康な町づくり計画を目指し,「健康あなぶき21」の策定に取り組みました。
保健統計や基本健康診査,乳幼児の健康診査データ等の分析とともに新たに健康に関するアンケート調査を実施しました。無作為に抽出した20〜80歳未満までの男女1,500名を対象にアンケート調査を行い,未回収者には保健推進員による聞き取り調査や記入の勧奨を行いました(回収率65%)。調査項目の中には,生活習慣に関するものだけではなく,グループインタビューで声の挙がった地域社会や環境に関する項目を加えるなど,町独自のアンケートを作成しました。 また,母子に関しては個別送付による生活習慣や子育てに関するアンケート調査を行いました。保健統計やアンケート調査で浮き彫りになった健康課題を,子どもと大人の健康に分けてまとめてみると,子どもの健康では,齲歯有病率や肥満児の割合が高く,原因となっている不規則な食生活などの生活習慣の悪化が明らかになりました。また,大人の健康では,アルコール,間食の摂取量が多いなど生活習慣に起因した肥満者が多く,それらが循環器疾患の増加に起因していることが分かりました。 2)地区組織でのワーキング開催 保健推進員や母子保健推進員の地区組織発足の歴史は長く,以前より健康づくりを展開していく上で住民のリーダー的役割を担っていました。穴吹町がどのような町だったらいいか,まずは地区組織を対象にヘルスプロモーションに関する学習会を開催し,今後,アンケート調査やグループインタビューを進めていく上での土台としました。 3)住民グループインタビュー 住民主体の計画策定を目指す中で,できる限り住民の声を聴き,皆で話し合う機会を持とうと集会所単位や保育所,保護者会等でグループインタビューを実施しました。住民からは,「穴吹町がどんな町だったらいい?」という投げかけに対し,年々高齢者が増えていっているが,住み慣れた町で生活していくためにはどうしていけばいいのか,また,この穴吹川を守っていくためにはどのようなことができるのか,自分や地域の人が元気で生活していくためにはどのようなことに気を付けていけばいいのかなど数多くの声があがりました。 また,保健統計やアンケート調査のデータ分析後に実施したグループインタビューの意見としては,穴吹町には肥満者が多いことに関心が集まり,ウォーキング等の運動を推進し,継続していくためにはどのようにすればいいのか,間食を食べ過ぎないようにするにはお互いにどのようにすればいいのかなど生活習慣の改善についても活発な意見がみられました。 4)住民会議 住民の代表から構成する住民会議において,グループインタビューで意見としてあがった内容に関して優先順位を決める作業を行いました。 5)ウォーキングマップの作成 グループインタビューの中でもウォーキングに関する意見が多くあったが,その中でも町内にはきちんとしたウォーキングコースがないので歩道や街頭の整備があればという行政に対する要望も多かった。そこで,まずは町内ウォーキングコースを見直してみようと住民から成る「健康をつくる会」とともに町内ウォーキングマップを作成し,計画のダイジェスト版に添付し,ウォーキングコースを紹介しました。 6)計画の普及・啓発 住民からの声を計画に反映したとはいっても,多くの住民に計画の趣旨や内容を冊子や広報紙だけで伝えるのは難しいものがあります。そこで,住民への周知には作成した計画のダイジェスト版を各戸に配布するだけではなく,自作の健康劇のビデオを健康フォーラムや集会所単位での健康教室に活用することにしました。劇はボランティアサークルや保健推進員等の住民達も参加・協力して上演し,健康課題であった肥満解消につながる食生活や運動習慣などの生活習慣改善とともに,地域での人との触れあいや助け合い,また,地域での子育て支援,美しい河川を残すためにはなどの内容も盛り込みました。そして,計画のテーマである「笑顔いきいきふれあいの町」を目指すためには,住民一人ひとりだけではなく,地域・学校・職場・関係機関の連携のもとで取り組んでいくことの必要性を表現しました。
健康を守るためには,寝たきりや痴呆にならないで生活できる健康寿命を延ばすことは最大の目標です。実際,循環器疾患の増加の引き金になっていた肥満者の多さには驚くべきものがありましたが,生活習慣を見直せば,食べ過ぎや間食,アルコール摂取量の多さが目立っていました。肥満の解消にはむろん自分自身の努力も必要になってきますが,グループインタビューでは「ウォーキングの声かけをして歩く人を増やそう,誘い合わせて歩いたら長続きできる」「各種検診や健康教室には隣の人や男の人も誘おう」「お礼にはお菓子じゃなくて感謝の言葉で返そう」「来客時にお菓子を勧めすぎないようにしよう」などの意見も多く,家族や隣近所の人,地域住民との協働がこれからの健康づくりに推進していくことが必要です。 また,穴吹町には,テレビのCMにも取り上げられた非常に水質の素晴らしい河川があり,キャンプの季節になると水とのふれあいを求めて数多くの人々が町を訪れています。この町の誇れる河川を残していきたいと,高い年代の住民からは環境(河川)美化に関する声が多数あがっていました。しかし,年代が低下するに伴ってそれは薄れてきており,今後,環境意識を高め,自然を活かした健康づくりを進めていくためには家庭・学校・地域と連携した取り組みが必要になってくると思われます。 また,この計画の策定において今後の課題として残っているのが,不十分であった行政間での意識の共有,連携です。これからの健康づくりを展開していく上で,各課の垣根が無くなれば,それぞれの分野の課題を共有し,整理することで更に効果的な町づくりにつなげることができるのではないかと期待しています。 そして,本計画の策定において,管轄保健所の所長ならびに担当保健師により,データベースの提供や分析の助言,並びに住民会議の方向性についてなど数多くの様々な面において支援を頂いたことに対して,保健所の果たすべき役割の重要性を再認識し,感謝するとともに,これからの環境整備への体制づくりに向けて努力していきたいと考えております。 |
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今後は,健康増進法の施行により,保護者を含む成人の意識の変化にも着目しながら進めていく必要があります。10年間の事業を振り返ってみて,成人の意識改革の重大な要素として,家族(特に子どもや孫)からの動機づけが効果をなしている場合があります。「タバコは体に悪いから止めて」と言われ,「子どものために止めたい」等の感想がよく聞かれます。幼児から学童への教育が,家庭での保護者が意識の変化に係わっています。1人から2人へ,個人から地域へと広がりのある事業を今後も企画・推進していく必要があります。市町村合併という大きな問題を背景に,今後の事業の再検討をしていきたいと考えております。 |
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