こくほ随想

第7回 
リーダーシップを発揮しよう

この原稿を書いているのは10月初旬で、ラグビーワールドカップで日本が予選を突破し、ベスト8に入ることができるかで、盛り上がっています。原稿が世に出る頃には、結果が出ているはずです。

スポーツはなんでも観ますが、最近のお気に入りがラグビーです。これは、私が帝京大学に所属していることに関係しています。ご存じの方もいるでしょうが、帝京大学のラグビー部はとても強い。大学選手権9連覇、3年空けて現在2連覇中です。そして、今回のラグビーワールドカップ日本代表には帝京大学出身者がなんと7名も。これは応援のしがいがあるというものです。

ラグビーを観ていて思うのは、チームシップとリーダーシップの大切さです。他のスポーツもそうですが、特にラグビーは、それぞれのポジションが役割を全うし、全員が手を抜くことなく、チームとして戦うことが求められます。そして、それをまとめるのがリーダーであるキャプテン。今回は、帝京大学出身の姫野選手です。

リーダーシップはスポーツだけではなく、ビジネスにおいても重要で、リーダーシップを養うための教育も盛んです。書店にはリーダーシップに関する本がたくさん並んでいます。それだけ、リーダーシップへの関心が高く、また、リーダーシップに悩んでいる人が多いということでしょう。

帝京大学のラグビー部が強くなったのは岩出雅之前監督(現帝京大学スポーツ局長)の功績によるところが大きいとされています。そして、岩出前監督のもとから、姫野キャプテンなど、次のリーダーが生まれたように、良きリーダーは次のリーダーを育てるのです。私も、岩出前監督の講演や著書から、リーダーシップについて、いろいろと勉強させてもらいました。

私の所属する大学院でも、以前よりリーダーシップに関する科目があり、リーダーシップの教育を進めています。公衆衛生の分野においてもリーダーシップが重要だからです。今年度からは、リーダーシップの科目の講義時間を増やして、内容をさらに充実させることにしました。コロナ禍で逼迫した保健所や医療機関などで、リーダーシップの重要性が強く認識されたことが背景にあります。

リーダーシップの考え方はいろいろありますが、最近の主流は、“だれでもリーダーシップを発揮できる”というものです。チームの中で、リーダーの地位にある人は、リーダーとしてのリーダーシップ、リーダーに従ういわゆるフォロワーは、フォロワーとしてのリーダーシップが発揮できるというものです。

ラグビーでは、リーダーだけではなく、すべてのメンバーが、役割に応じてリーダーシップを発揮する必要があるのです。自分はリーダーシップをとるような人間ではないという人がいますが、リーダーシップもいろいろな形があり、それぞれが自分の個性を活かしたリーダーシップが発揮できるのです。

さて、皆さんの職場はいかがでしょうか。国保部門では、データヘルス計画などで事業が増えて、事務職と専門職あるいは他部門との連携が求められ、リーダーシップがますます重要になっています。ぜひ、リーダーシップを学び、実践してみましょう。

記事提供 社会保険出版社〈20字×80行〉

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