監修:古賀良彦(杏林大学医学部精神神経科学教室教授)
睡眠には寝ている時間だけでなく、起きてから寝る前までの過ごし方が影響しています。このページでは、心地よい眠りを得るためのスケジュールをご提案いたします。
毎日良い睡眠を得るためには、できるだけリズムを崩さないことが大切です。特に重要なのは、起きる時間。平日はもちろん、休日もできるだけ同じ時間に起きて光を浴び、きちんと朝食もとりましょう。
休日に寝坊したい場合でも、起きる時間は平日と2時間差までにとどめます。食事やお風呂タイム、就寝時間などもできるだけ一定にします。
昼間の生活では、デスクワークの人は体を、体を使う仕事の人は頭を意識的に動かして、心身がバランス良く、適度に疲れるようにしましょう。
日中、どうしても眠くて効率の悪いときには、20分程度の短い昼寝をとるとスッキリします。ただし、30分以上になると睡眠が深くなりすぎて起きづらくなり、逆効果ですので、ご注意ください。
また、夕方以降に眠ると夜に眠りづらくなりますので、グッと我慢しましょう。
人間は起きて14~15時間すると深部体温が下がって眠くなってきます。体温が上がると眠りにくくなるので、体温が上がりがちな生活習慣は早目に済ませて、床に入るころには深部体温を下げておきましょう。
体の疲れをとる睡眠は重要ですが、遅くなると就寝時に体温が上がったままで眠れなくなります。入浴は床に就く2時間前ごろまでに済ませましょう。
適度な疲労のために重要ですが、できればお昼休みや夕方など、早目に済ませるのがおススメです。運動のほか、通勤・通学や休み時間の散歩、家事などの身体活動を日中に行い、夜は体を休ませましょう。
睡眠中の臓器を休ませるためにも、飲酒は早目に切り上げましょう。床に入るときにはお酒が覚めているようにします。
人間の体には「アルコールを溜めておく臓器」がないため、アルコール分解は食物の消化などより優先されます。また、アルコールには睡眠の質を悪くする性質もあります。
コーヒーやお茶に含まれるカフェインは、寝つきを悪くします。これらよりは少なめですが、コーラにも含まれています。大量に飲まないよう、ご注意を。
眠る前に飲むなら、麦茶や牛乳などのノンカフェイン飲料を。
眠る前1時間くらいはなるべくゆったりのんびりと、難しいことを考えずに過ごしましょう。
寝床に入るのは眠る直前に。寝床で睡眠以外に色々なことをしていると、睡眠モードに切り替えにくくなって、寝つきが悪くなります。