私たちは寝ているときだって、エネルギーを消費しています。心臓は動いているし、呼吸もしているし、その他の臓器だって休んではいないからです。このように安静時でも必要な「生きるためのエネルギー」を、基礎代謝といいます。基礎代謝量が高い人は、それだけ多くのエネルギーを消費して、体内の活動も活発です。全身が若々しく、ちょっと食べすぎても太りません。 しかし基礎代謝量は、残念ながら加齢とともに低下していきます。しかも、日ごろから不摂生を重ねていたり、ストレスをためていると、低下のスピードが早くなります。若々しい肉体を保つには、基礎代謝量の低下をどうしても阻止しなくてはいけません。 そのカギをにぎっているのが、筋肉。筋肉はエネルギーをたくさん使うため、筋肉量が多いほど基礎代謝量が高くなるからです。いまからでも筋肉を刺激する動作を生活のなかにとり入れ、若々しい肉体を保ちましょう。
細胞が若返れば、内臓機能だけでなく、肌や髪の毛の新陳代謝も高まり、ツヤやハリがでてきます。
基礎代謝量が増えれば、それだけ全身の細胞にさかんに酸素や栄養素を運び、老廃物を追い出す新陳代謝にエネルギーが使われるので、全身の細胞を若々しく保つことができます。
基礎代謝量の高い人ほど、摂取したエネルギーをせっせと消費して脂肪になりにくくするため、基礎代謝量の低い人と比べて太りにくくなります。
からだのなかで、もっともエネルギーを多く使っているのが筋肉です。筋肉がつくほど基礎代謝量は増え、基礎代謝量が増えれば筋肉の活動がさらに活発になります。
全身の細胞が若返るということは、臓器を形成している細胞も若返るので、内臓そのものの働きもよくなります。
筋肉を効率よく増やすには、まず、背筋をしゃんと伸ばし、姿勢を正すことから始めましょう。さらに、毎日の生活のなかで、日常的に筋肉を刺激するような動作を心掛けていると、基礎代謝量アップにつながります。
胸の前で手のひらを合わせ、肘を左右に張って、両手で押します。6秒×5回。
床に落ちた物を拾うつもりで、片足を後ろに引き、両膝と腰を曲げて、再び伸ばします。スムーズに屈伸します。左右各3回。
両腕を上に上げ、背筋をぐんと伸ばし、お腹をへこませ、静止します。11秒×5回。
買い物をして荷物を持ったとき、ただぶら下げているだけでなく、ときどき、肘を軽く曲げ、腕に力をいれて、荷物を持ち上げるようにしましょう。左右各6秒。疲れない程度に繰り返します。
椅子に座ったとき、手を膝におき、手で膝を閉じるように押し、膝は逆に開くように力を入れます。次に手で膝を開くように左右に引っぱり、膝は閉じるように力を入れます。各6秒×3回。
基礎代謝アップのためには、体温を上げるのもよい方法。それは、熱を上げるためにエネルギーが必要になるから。さらに血行もよくなるので、より代謝が促されやすくなります。 ※ただし、ぬるめのお湯にゆっくりと。とくに高血圧の人は高温浴は危険です。
日本人の栄養所要量の第6次改訂による年齢階層別の基礎代謝量の変化をみると、なんと基礎代謝量は男性で15〜17歳、女性で12〜14歳がピーク。それ以降は、残念ながらなだらかに下降線をたどります。しかし、食事や運動、ライフスタイルを見直すことで、低下のスピードを遅らせることができるので、ご安心を!
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