森のシャワーを浴びに行こう

森は人間のふるさとです

長い人類の歴史を振り返れば、人間が都会に住むようになったのは、ほんの近年のこと。太古の昔から、人類は森に住み、命を育み、自然との交流のなかで暮らしを営んできました。森は、暑さや寒さ、雨や風から、人間を守ってくれていました。水を貯えてくれ、食料をもたらし、外敵から身を守りながら健やかに眠る場所を与えてくれました。私たちが森へ行くと不思議と心身が癒されるのも、遺伝子のどこかに刻み込まれた森との暮らしの記憶が甦るからかもしれません。
そして森の木々は二酸化炭素を吸い込んで、酸素を排出しています。人間はその逆。酸素を吸って、二酸化炭素を排出しています。森と人間が自然のなかで共存している理由がここにあるのかもしれません。
しかも森には心身の働きを安定させる成分が充満しています。文明社会のストレスに疲れきる前に、たまには森へ帰って、心身のリフレッシュをしましょう。

基礎代謝が高くなると…

 
太陽の光

血圧や血糖の上昇を防いだり、新陳代謝を高めたり、体内でビタミンDを合成したり…。太陽の光には、体を元気に保つためのさまざまな作用があります。

 
植物の炭素運動

植物は二酸化炭素を吸収して、酸素を排出します。酸素を吸って、二酸化炭素を排出する人間にとって、森は需要と供給のバランスのとれた場所ともいえます。

フィトンチッド

樹木から発散されるフィトンチッドには殺菌作用があり、森のなかの空気を清浄に保っています。また、フィトンチッドを吸い込むと、健康にもよいといわれています。

ゆらぎ

木々の立ち並び方、木の葉が風に揺れるさま、木漏れ日、せせらぎの音など、森の風景や音には心地よいゆらぎがあり、心身を解放してくれます。

マイナスイオン

とくに滝や渓流のほとりに多いマイナスイオンには、血圧や血糖値を安定させたり、食欲増進、疲労回復、精神安定などの作用があります。

森のシャワーを五感でキャッチ!

森が持っている快適感を、五感をフルに使い、
全身で受けとめましょう。
心身が癒され、リラックスしてくるのを
実感できるはずです。

触れる 木の枝で簡単アートを楽しもう

自然を直接指先に感じるのは気持ちいいもの。例えば、下図のように形や太さの揃った枝を数本集め、木細工を楽しむのもよい方法。ロープでつなげば、天然素材のインテリアラックのでき上りです。

見る 森の風景をボーッと眺めてみよう

頭をからっぽにして、少しの時間、森の風景を眺めてみましょう。木々の緑、梢の上を流れる雲、木漏れ日のちらちらと揺れる光、木目…。普段の生活を忘れさせてくれるやすらぎの風景をたくさん見つけてみましょう。

味わう 森の空気をお腹いっぱい吸い込もう

森の清浄な空気は、何にもまさるごちそうです。大きく深呼吸して、お腹いっぱい味わってみましょう。お腹をへこませながら鼻から息を吐き、2〜3秒息を止め、体の力を抜いてみましょう。こうすると、新鮮な空気が肺のすみずみまでゆきわたります。

聴く 目を閉じて、森の音を拾ってみよう

風が木々を抜けていく音、木の葉がカサカサとこすれる音、小川のせせらぎの音、鳥のさえずる声…。目を閉じると聴覚が敏感になり、森のなかで自然のかもし出す心地よい響きが、心身をリラックスさせてくれます。

嗅ぐ 森の香りを探してみよう

花、木の実、果実、木の葉、土…。自然のほのかな香りが混じり合い、独特の森の香りをつくりだしています。「この香りは何だろう?」と香り当てをしたり、香り探しをしながら歩いてみませんか。

 
お土産は森の香り フレグランス・ウォーターをつくりましょう

ヒノキ、ヒバ、マツ、スギ、クロモジなどは、木の香りの代表格。それらの葉や木の枝を家に持ち帰って、フレグランス・ウォーターをつくってみませんか。家にいながら、森の香りが楽しめます。

フレグランス・ウォーターのつくり方
材料:
●鍋(ステンレスやホーロー製で、ふたがガラス製のものが最適。)
●大きめのボウルと小さめのボウル
●やかん
●水
●氷

1

材料の香りをチェック
芳香植物の葉や枝を大きい方のボウルに入れ、熱湯を注いで香りをチェック。

2

材料を水に浸す
鍋に材料を移し、水をひたひたに入れ、鍋の中に小さい方のボウルを置きます。

3

簡易蒸留装置をつくる
2の鍋のふたを裏返しにし、ふたのくぼみに冷却用の氷を置けばセット完了。

4

加熱する
ガスコンロで加熱します。煮立てない程度の弱火で約10〜15分。

5

できあがり
フレグラン・スウォーターは、アロマポットで気化させて香りを楽しんだり、入浴剤としても利用できます。

豆知識
森の色は心を和ませる

色彩心理学で緑やベージュ色に精神安定作用があるといわれるのは、森が安心してくつろげる場であった、昔の人のイメージの名残りなのだそうです。

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