気になる症状Q&A

これって病気?どう治す よく起こる不快な症状や、ちょっと気になるからだのこと、毎日を元気に過ごすための対処法を紹介します。

冬なのに、寝汗をよくかく
最近、冬でも寝汗をたくさんかくことがあります。
体もだるく、どこか悪いのではないかと心配です。
(39歳・男性)

睡眠中に寝汗をかくのは自然なこと。ただ、暑くもないのに多量にかく場合には、体が衰弱している可能性が。すぐに休養を。

 私たちは暑いと、汗をかくことで体温調節をしています。健康な人でも、一晩の睡眠中にコップ1杯ほどの寝汗をかいています。また、こわい夢を見たときや、かぜの熱が下がったときなどに汗が大量に出ることがありますが、いずれも正常な生理現象ですので特に心配はいりません。
 しかし、こうした要因とは関係なく、いつもより多量に寝汗をかいてしまう場合は注意が必要です。東洋医学では、寝汗のことを「盗汗」といい、体のエネルギーが消耗している状態と考えます。
 原因としては、過労やストレス、胃腸機能の低下、栄養不足のほか、お酒の飲み過ぎ、カフェインなど刺激物のとり過ぎ、夜更かし、冷たい飲み物の摂取や薄着など体を冷やす生活習慣などが挙げられます。
 対策としては、まずゆっくり休養することがいちばん。そして、食事は温かくて消化のよい物をとりましょう。また、心あたりのある前述の生活習慣は改善をし、できるだけ心身の疲れをため込まないようにしてください。
 漢方薬でよく処方されるのが、十全大補湯や補中益気湯などで、ともに発汗を調節し、体力を回復させる黄耆という生薬を含んでいます。ほかにも、症状によって有効な薬もありますから、医師や漢方薬局にご相談ください。
 それでも寝汗が続くようなら、肺が弱っているなど、何かしら病気のサインということも考えられますから、やはり一度はかかりつけ医にご相談ください。

回答者:日本大学医学部附属板橋病院 東洋医学科外来医長 木下優子

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