私たちは、汗をかくことで体内の熱を放散し、体温を一定に保っています。高齢者の場合、暑さに対する知覚が低下する上、体温調節がうまく機能しなくなるので、汗をかきにくくなります。
また、高齢になるに連れ水分・イオンの貯蔵庫となる筋肉量が減ったり、食事や飲料による水分摂取量が減ったりするので、体内の水分量が不足しがちです。トイレが近くなるのを嫌がって水分摂取を控えていると、ますます水分・イオン不足に陥ります。
もともと体内の水分量が少ない高齢者にとって、最も問題なのは、脱水症が進みやすいことです。特に食欲がないと、電解質が不足するので、脱水症がより進みやすく、夏場だけでなく秋口にも熱中症を起こし、悪化する傾向にあるので注意してください。
そうならないように、喉が渇かなくても定期的に水分補給をするようにしましょう。食欲がないときは、おかゆと梅干しをとるように。おかゆから水分と糖分、梅干しから塩分が摂取できるので、脱水症の予防になります。緑茶やスポーツドリンクもいいのですが、梅昆布茶もおすすめです。
回答者:瀬義昌 たかせクリニック理事長