SNSや動画視聴、ゲーム、ネットショッピングなど、スマホには使い道が豊富にあり、適切に使えば決して悪い物ではありません。ただし、長時間、頻繁に使い過ぎることで、十分な睡眠時間が取れなかったり、必要な行動に集中できなくなったりすると問題です。日常生活に支障が出ていて、「スマホを見るのをやめた方がいい」と分かっていてもコントロールできない状態を「スマホ依存症」と呼びます。
スマホの使用時間が延びるとき、脳内では神経伝達物質「ドーパミン」の分泌量が増えて喜びや快楽を感じやすくなりますが、やがてドーパミンを求め、スマホに執着するようになります。こうしてスマホ依存症になると、記憶力・集中力の低下や生活リズムの乱れが生じる他、肩凝り、ストレートネック、視力低下など、体への影響も出てしまいます。
使用ルールを決めても守れない、仕事などの重要な行動よりスマホを見ることを優先してしまうなど、スマホ依存症を疑う場合には精神科に相談を。依存症と診断された場合には、グループで解決に向けて話し合う集団精神療法や、集団認知行動療法などが行われます。また、他の精神疾患を合併していることもあるため、その場合は並行して治療を進めます。
※スマホ依存症は国際的に認められた正式な病名ではありません。
回答者:大石雅之 大石クリニック 院長