鼻の中にスプレーするタイプのインフルエンザワクチン(フルミスト®点鼻液)は、日本では2〜18歳を対象に、2023年に認可されました。
今まで一般的に使われてきた注射タイプのワクチンは、針を刺す時に痛みが生じるため、強い恐怖を感じることがあります。一方、スプレータイプのワクチンは、鼻の穴に(左右0.1mlずつ)噴霧するだけなので痛みがなく、注射が苦手な子供でもストレスが少なく済むのがメリットです。
注射タイプは「不活化ワクチン」ですが、このスプレータイプのワクチンは「弱毒生ワクチン」です。毒性を弱めたウイルスが気道の粘膜で増殖して免疫を高め、インフルエンザの発症や重症化を予防すると考えられます。予防効果を比較すると、小さい子供の場合、注射タイプよりも高い効果が期待できるとされています。また、13歳未満の場合、注射タイプでは2回接種を行いますが、噴霧式のワクチンは1回の投与で効果が1シーズン持続します。
副反応としては、注射タイプと同様、まれにアナフィラキシーショックが起こる可能性がある他、鼻水、鼻づまり、咳、喉の痛みなどの症状が現れることがあります。
ぜんそくなどの持病があるお子さんは注意が必要な場合もあるため、まずは医師に相談してみてください。
注射タイプ | スプレータイプ (フルミスト®) |
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種類 | 不活化ワクチン | 弱毒生ワクチン |
対象年齢 | 生後6カ月以上 | 2〜18歳 |
効果の持続期間 | 5カ月程度 | 1シーズン(6カ月〜1年程度) |
接種回数 | 1〜2回(13歳未満は2回) | 1回 |
費用 | 2,500〜5,000円/回 | 7,000〜10,000円 |
※費用は医療機関ごとに異なります。また、医療保険者から補助を受けられる場合があります。
回答者:佐藤順一朗 クリニックプラス池尻大橋院長