気になる症状Q&A

足の親指をぶつけて以来、爪が根元から割れて生える

半年前に足の親指を強くぶつけて以来、
爪が根元から割れて生えてきます。痛みはないですが、
このまま放置してよいものでしょうか？
（27歳・男性）

爪が根元から割れて生えるのは
爪甲縦裂症（そうこうじゅうれつしょう）かもしれません。
放置せずに皮膚科を受診しましょう。

　爪甲縦裂症とは、爪が縦に裂けている状態をいいます。生えてくる爪も縦に亀裂が生じます。
　原因として多く見られるのは、質問者のように爪の根元（爪甲）をぶつけるなど、外的要因によるものです。また、マニキュアを落とす除光液などの化学物質による刺激や爪の乾燥などで起こる他、爪の根元の腫瘍などの病気が原因で発症することもあります。
　なお、爪甲縦裂症は、自然に治らないことが多いため、正常な爪に戻すには治療が必要です。痛みがなくても皮膚科を受診し、適切な治療を受けましょう。
　爪甲縦裂症の治療は、ステロイド外用薬を使います。1日2回、爪の根元にステロイド外用薬を塗り続ければ、一般的に2〜3カ月ほどで爪の根元部分から改善されていきます。通常、足の爪なら、1年から1年半ほどで正常な爪になります。亀裂ができているところに新たな外力が加わらないように注意して、爪が伸びるまで治療を続けましょう。
　ステロイド外用薬で改善が見られないときは、爪の根元に腫瘍がある可能性があります。その場合は、爪をはがして腫瘍の有無を検査する必要があります。腫瘍があれば、摘出する手術を行います。

回答者：高山かおる 埼玉県済生会川口総合病院 皮膚科 主任部長