気になる症状Q&A

これって病気?どう治す よく起こる不快な症状や、ちょっと気になるからだのこと、毎日を元気に過ごすための対処法を紹介します。

熱中症予防のために水をたくさん飲んでいる
熱中症予防のために水をたくさん飲んでいますが、
ここ数日、疲労感や吐き気、頭痛などに悩まされています。
熱中症にかかってしまったのでしょうか
(65歳・女性)

水の過剰摂取により、体内の塩分濃度が薄まって起こる
「水中毒」の症状だと思います。
熱中症予防として水を大量に飲むのは危険です。

 熱中症を防ぐために水分補給は大切ですが、だからといって水をたくさん飲めばいいわけではありません。水分補給の仕方によっては体に悪影響を及ぼすからです。
 私たちの体の体液には塩分が含まれていますが、水を過剰摂取すると、血液中の塩分濃度が薄まって体にさまざまな支障を来すようになります。
 これは「水中毒」とも呼ばれる状態で、主に目まい、倦怠感、頭痛、吐き気などの症状が現れます。重症化すると意識障害やけいれんなどの神経症状を引き起こし、場合によってはその後、死に至ることもあります。質問者は水中毒が疑われるので、水をたくさん飲むのはやめて医療機関を受診してください。
 熱中症予防として水分を補給する際は、一気に大量の水を飲むのではなく、コップ1杯程度(約180ml)の水を1日に8回程度、小まめに飲みましょう。
 のどが渇いたと感じる前に、起床後すぐ、トイレの後、食事中など、タイミングを決めて水分補給をすることも大切です。
 また、汗をかくと一緒に塩分も失われます。たくさん汗をかいたときは、水だけでなく梅干しや塩飴などで塩分を補ってください。体液に近いバランスの水分と塩分が含まれている経口補水液を飲むのもよいでしょう。

回答者:谷口英喜 済生会横浜市東部病院患者支援センター長

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