蜂窩織炎とは、皮膚にできた傷など、皮膚の弱っている部分から細菌が入り込んで引き起こされる皮膚の感染症です。
患部は赤く腫れ上がったり、熱を帯びて痛みが生じたりします。また、発熱や寒け、心拍数の増加、頭痛といった全身症状を伴うことも。全身どこにでも発症しますが、特に片側の足に多く見られ、膝から下に起こる場合、足白癬(水虫)が原因とななっていることが多いと考えられています。
治療では、抗菌薬を服用して患部をなるべく動かさないようにします。冷やすことで痛みが和らぐことも。重症化のリスクが高い場合などは、入院して点滴治療を行います。
蜂窩織炎は人にうつることはありませんが自然には治らず、放置すると重症化する恐れもあるため、早めに受診する必要があります。また、再発を防ぐために、処方された抗菌薬を最後まで飲み切る他、水虫や湿疹など原因となる皮膚の病気の治療も大切です。
万が一、痛みが急激に強まる、高熱が出るなどの症状がみられたら、「壊死性軟部組織感染症(えしせいなんぶそしきかんせんしょう)」という別の感染症の疑いがあります。命に関わるため、すぐに受診してください。
回答者:前川武雄 自治医科大学附属さいたま医療センター 皮膚科 准教授