骨粗しょう症は高齢者の病気と思われがちですが、発症には若い頃からの生活習慣が大きくかかわっています。そのため、予防には早い段階での意識改善が重要。寝たきりとなるリスクの芽を摘み、健康長寿を目指しましょう。
骨粗しょう症は骨の中がスカスカになってもろくなり、骨折しやすくなる病気です。高齢者が骨折すると、寝たきりになったり、そこからさらに認知症を招いたりすることもあります。
患者の約7割は女性で、早い人では30代から発症しますが、特に閉経後に発症する場合が多く60歳を過ぎると急増します。20〜44歳の骨量の平均値と比べ、30%以上減ると骨粗しょう症と診断されます。
人間の骨量は30歳前後で最大となります。若いときの無理なダイエットなどによるカルシウム不足や運動不足、生活習慣の乱れなどによって丈夫な骨が十分につくられないと、その後の加齢による骨量の減少により、骨粗しょう症を発症しやすくなってしまいます。
骨を強くする三原則は、食事と運動と日光浴。食事でたっぷりカルシウムをとったら、運動と日光浴でカルシウムを骨に沈着させましょう。女性ホルモンの分泌が少なくなる閉経後に急激な骨量の減少が起こることが多いので、女性は特に意識して。
年をとってから骨量を増やすのは困難ですが、骨量の減るスピードを遅くすることは可能です。
骨量は減少しても初期は自覚症状がないので、40歳を過ぎた女性は数年に一度骨量を測定することをおすすめします。
骨量測定は整形外科、婦人科、内科などでできるほか、実施する自治体も増えてきています。
レントゲン検査で、つぶれている背骨・腰骨(脊椎椎体骨折)をチェックします。
骨代謝の程度を見ると同時に、ほかの病気のチェックもします。
骨のカルシウム量を計測。検査方法はいくつかあります。
●超音波法…かかとの骨で測定。短時間で計測できる。
●DXA(デキサ)法…被ばく量の少ないX線で腰、全身の骨を撮影。超音波法よりも精度が高い。
●MD法…健康診断などでよく使われる。手指の骨で測定。
監修:砂山 聡(水道橋メディカルクリニック院長)