心臓病は、がんに次いで日本人の死因の第2位を占めます。心臓病の多くは、食生活や喫煙、運動不足などの生活習慣によってもたらされます。発病の引き金となる悪い習慣を断ち切り、心臓病を予防しましょう。
心臓は血管を通じて血液を体のすみずみまで送り込んでいますが、心臓自身の筋肉(心筋)も、血液から酸素と栄養を供給されています。
心筋に血液を送っているのが、心臓を取り巻く冠動脈です。冠動脈から心筋への血液の供給が減ったり途絶えたりすることを虚血といい、虚血によって引き起こされる狭心症や心筋梗塞をまとめて「虚血性心疾患」と呼んでいます。
日本人の心臓病の約半分は虚血性心疾患で、突然死の最大原因としても注目されています。虚血の主な原因は動脈硬化。動脈硬化の原因には加齢もありますが、多くは生活習慣病と密接にかかわっています。危険因子を抱えれば抱えるほど、虚血性心疾患のリスクは高まります。
いちばんのポイントは、動脈硬化を防ぐことにあります。肥満、高血圧、脂質異常、高血糖を予防・改善する生活習慣に取り組みましょう。
足(脚部)の筋肉は第二の心臓といわれ、動かすことで静脈を外から収縮・弛緩(しかん)させ、血液を心臓へと送り返しています。血管の機能を強くして心臓をサポートするためにも、日常生活で1歩でも多く歩き、足の筋肉を使うことを心がけたいですね。歩くチャンスを積極的につくり、どんどん歩数を増やしましょう。
エレベーターやエスカレーターの使用をやめてみませんか? できる範囲で、少しずつ実践を。
少し遠くの店までランチを食べにいくのもおすすめ。食後に散歩をすれば気分もリフレッシュ。
自家用車やタクシーより、電車やバスを利用すれば、自然と歩数が増えていきます。
監修:砂山 聡(水道橋メディカルクリニック院長)