今や誰にでも起こり得る身近な病気となったがん。最近の研究では、生活習慣の見直しでがんの多くはリスクを抑えられることがわかってきています。
がんは細胞の遺伝子が傷ついて起こる病気です。細胞のがん化を引き起こす「がん遺伝子」が、細胞のがん化を抑制する「がん抑制遺伝子」より強くなることで起こります。「がん遺伝子」を強める要因の大部分を占めるのが生活習慣。中でも喫煙と食生活を合わせると、がんを引き起こす要因の6割にもなります。
喫煙は、肺がんはもちろん、ほとんどのがんと強い関連性があります。そのほか、肥満と大腸がんや乳がん(閉経後)などとの関連、飲酒と食道がん、肝臓がん、乳がんなどとの関連も確実とされ、塩分のとり過ぎと胃がんとの関連なども可能性が大きいとされています。
一方で、運動が大腸がんや乳がんの、そして野菜や果物の摂取が胃がんや大腸がんなどのリスクを下げることもわかっています。
がんは通常の健診だけでは見つかりません。がん検診や人間ドックを別に受けましょう。
全国の市区町村では5つのがん検診を、科学的に効果が明らかな検診方法・対象年齢・受診間隔で実施しています。積極的に利用しましょう。
がんは診断と治療方法が日に日に進歩しており、早期発見・治療できればほとんどが治るがんも多くあります。
※検診の対象年齢などは、市区町村によって異なる場合があります。
対象年齢: | 40歳以上 |
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受診間隔: | 1年に1回(推奨) |
検査項目: | 問診、肺エックス線検査、喀痰(かくたん)細胞診 (医師が必要と判断した人のみ) |
対象年齢: | 40歳以上 |
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受診間隔: | 1年に1回(推奨) |
検査項目: | 問診、便潜血検査 |
対象年齢: | 40歳以上 |
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受診間隔: | 1年に1回(推奨) |
検査項目: | 問診、胃エックス線検査 |
対象年齢: | 40歳以上 |
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受診間隔: | 2年に1回(推奨) |
検査項目: | 問診、視触診、 マンモグラフィ |
対象年齢: | 20歳以上 |
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受診間隔: | 2年に1回(推奨) |
検査項目: | 問診、視診、内診、細胞診 |
たばこががんのリスクであることは有名ですが、たとえがんが見つかっても喫煙習慣があると、禁煙するまで手術ができないケースがあることはご存じでしょうか?
その理由は、喫煙習慣があると術後に肺合併症(肺炎など)を起こしやすい、血流が悪くなるため術後の傷の治りが遅くなる、呼吸器官の機能低下により全身麻酔がかけられないなど多岐にわたります。そういった手術のリスクを事前に減らすために、禁煙できない人の手術を断ると明言している医療機関もあります。
特に喫煙の影響を大きく受ける肺がんの場合は、十分な禁煙期間のあとで手術をすることになるため、その分治療に必要な期間が長くなります。そのほかのがんも期間に差がありますが、禁煙が必要になることがほとんどです。
監修:砂山 聡(水道橋メディカルクリニック院長)