
やめたくてもやめられない
依存症は、ある物事がどうしてもやめられなくなり、無理にやめようとするとイライラして、不安が募っていく病気です。アルコールやタバコ、薬物など特定の物質への依存がよく知られていますが、買い物やギャンブルなどの行為に対する依存、恋愛関係や親子関係など人への依存など、依存する対象はさまざまです。
中でもアルコールや薬物への依存は、やがて身体的にもそれがないと平静を保てなくなり、手の震えや発汗などの離脱症状(禁断症状)が現れるようになります。そして、その症状を止めるために、さらに依存が深まっていきます。
依存症は、心に抱えた強い不安や孤独を紛らわそうとして始めた物事が習慣となっていくもので、ストレス社会では誰にでも起こりうる病気です。そして、気がつくと自分の意志ではコントロールできなくなり、ついには社会生活や人間関係にまで支障を来すようになっていくのです。

意志だけでは治せない心の病気
依存をやめられないのは、意志の強さとは関係がありません。意志や努力ではどうにもならない心の病気であることを、本人、そして周囲の人が認識し、専門的な治療を受ける必要があります。


依存症者の世話をすることに依存する「共依存」
依存症の人からひどい迷惑をかけられながらも、ひたすら献身的につくしてしまう関係を共依存といいます。迷惑をかけることで相手をコントロールしようとする人と、相手の世話を焼くことで自分の存在価値を実感する人が依存し合っている関係です。深刻化した依存症者の家族には、共依存症者がいることが多いともいわれています。依存症者の家族は、自分の対応が共依存でないかどうかを疑ってみる必要があります。
