冬の食中毒に注意!ノロウイルス
食中毒が発生するのは、梅雨や暑い夏だけではありません。冬はかきなどの二枚貝を介したノロウイルスによる食中毒に注意が必要です。現在、ノロウイルスに対するワクチンや治療薬はなく、対症療法を行い、脱水症状に気を付けて安静にするのが基本。一人ひとりが予防法を実践して、感染しないようにすることが大切です。
症状があってもなくてもご用心!
ノロウイルスに感染すると、嘔吐や腹痛、下痢などの症状が起こります。中でも突然襲ってくる激しい吐き気が特徴的。多くの場合自然治癒し、無症状の人や軽い風邪程度で済む人もいますが、持病のある人や子供、高齢者では重症化して命に関わることも。
主な感染経路は汚染された食品を食べて感染する「食品からの感染」と、感染者の嘔吐物などから人の手を介して感染する「人からの感染」。自分は無症状でも周りにうつしてしまうことがあるので、周囲の人を守るためにも予防の徹底が重要です。
感染予防のポイント
ノロウイルスは感染力の強いウイルス。
4つのポイントを押さえて、適切な予防を。
- 調理する場にウイルスを持ち込まないよう、普段から自分自身や家族の健康状態に気を付ける。
- 嘔吐や下痢などの症状があるときは調理をしない、させない。
- 感染予防の基本は石けんを使った手洗い。
手洗いのタイミング
- トイレに行った後
- 調理を行う前後
- 食事の前後
- 感染者の汚物処理等を行った後
など
- 食品は十分に加熱する(中心部温度85℃~90℃で90秒以上)。
- 調理器具等は洗剤で洗ってから、熱湯(85℃以上)や塩素消毒液(濃度0.02%)で消毒する。
- 汚物処理をするときは使い捨てのマスクやガウン、手袋などを着用する。
- 汚物は乾燥する前にペーパータオルなどで除去し、浸すように塩素消毒液で拭き取った後、水拭きする。
- 拭き取った汚物や使用済みの手袋等はビニール袋に密閉して廃棄する。できればビニール袋の中で濃度0.1%の塩素消毒液に浸す。
塩素消毒液の作り方※家庭用塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム濃度5%)を原液とした場合
食器やカーテンなどの消毒、拭き取りなどに使用濃度
0.02%
2Lのペットボトルに、ペットボトルのキャップ2杯分(10mL)の漂白剤を入れ、いっぱいになるまで水を加える。
嘔吐物などの処理に使用濃度
0.1%
500mLのペットボトルに、ペットボトルのキャップ2杯分(10mL)の漂白剤を入れ、いっぱいになるまで水を加える。
*塩素系漂白剤の「使用上の注意」を確認し、それに従ってください。消毒液は使用するごとに作り、作り置きはしないようにしてください。誤飲防止のため、ボトルには「消毒液」と必ず表記してください。