ストレスと最も関係の深いとされる生活習慣が「睡眠」です。現代人は、活動が夜型になりやすく、ついつい睡眠時間が不足しがちに。時間の確保が難しい場合も多く、睡眠の「質」を上げる必要があります。
睡眠について、しっかり見つめ直してみましょう。
生活が不規則で、十分な
睡眠時間がとれない
朝目が覚めたとき、
疲れが残っている
日常的に睡眠時間を削って、無理をし過ぎていませんか。
十分な睡眠がとれずに疲れがたまると、ストレスにも弱くなってしまいます。
起きている間は、目や耳などから常に新しいさまざまな情報が脳に入ってきます。脳を休ませるためには、外部からの刺激が入ってこない睡眠が必要。日中フル回転してヒートアップした脳を、眠ることで落ち着かせることができるのです。
睡眠時の脳は休むだけではなく、日中に経験した雑多な情報を整理して、記憶を定着させるという作業も行っています。
物忘れが多い、考えがうまくまとまらない人は、睡眠不足が原因の可能性も。
成長を促し、傷ついた細胞を修復して疲労回復を進める成長ホルモンは、睡眠時に分泌されます。成長ホルモンは大人にとっても大切で、女性なら、よく眠れた翌朝ほど、お肌の調子がいいことを実感しているはず。
ぐっすり眠れた翌朝は、気分がよく、気力が充実して、集中力と作業効率を上げることができます。それまでの悩みが大したことではないと思える余裕が生まれ、問題の解決方法がひらめくことも。
睡眠が不足すると、抵抗力が低下し、風邪などにかかりやすくなる可能性が指摘されています。
また、睡眠の質は、肥満や高血圧、高血糖など生活習慣病にも影響することが分かってきました。
睡眠不足が続いて心身が休ま
らないと、ストレスがたまりやすくなります。その上、今度はそのストレスがますます睡眠不足の要因に……。睡眠不足とストレスが互いに影響し合い、悪循環を引き起こしてしまいます。
睡眠リズムの乱れは、誰にでも、いつでも起こる可能性があります。
睡眠の質を上げるための、生活上のちょっとしたコツを知っておきましょう。
睡眠を意識し過ぎて、かえって眠れなくなることがあります。大切なのは、心身の緊張をほぐすこと。脳への情報量が多いテレビやパソコンは、就寝の1時間前にはオフ。ゆっくりとお風呂につかる、ハーブティーを飲むなど、自分なりのリラックス法を見つけて。
ついついしがちな休日の朝寝坊は、体内時計を乱すもと。休み明けの朝に起きられなくなり、心身ともにつらい状態で翌週をスタートすることにつながります。なるべく休日もいつもと同じ時間に起きることを心掛けましょう。
平日の睡眠不足を取り戻したいのなら、休日に寝坊するのではなく、休日前夜に早寝をする方が効果的です。
昼間に眠気を感じることは、誰にでもあるもの。どうしても眠い場合には、昼寝の活用がおすすめです。
ただし、昼寝から起きたときに脳の覚醒度を落とさないようにすることが大切です。横になってしっかり眠るのではなく、
座ったままの姿勢で
20分以内の仮眠を。
睡眠が深くなる前に、
すっきりと目覚める
ことができます。
「不眠症」は、睡眠不足が慢性的に続くことで社会生活にまで支障が出てしまい、
専門医による治療が必要な状態です。
一方、睡眠不足を認識しつつも、「まあ大丈夫だろう」「休みの日に寝ればいい」など、
日頃の睡眠を大事にしていない状態を呼ぶ言葉が「かくれ不眠」です。かくれ不眠は、知らないうちに心身にさまざまな影響を及ぼし、生活の質を次第に低下させていきます。放っておくと、不眠症に発展してしまうことも。
かくれ不眠は、生活のリズムを整え、自分に合ったリラックス法を取り入れることなどで解消できます。日常生活に大きな影響が出てくる前に、自分の睡眠を見直してみませんか。
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