日常生活において、新しい人との出会い、新しい学び、新しい経験などを定期的に取り入れることは、不安やストレスに悩まない人が心掛けている習慣です。新しい出会いや学びは普段の生活では得られないさまざまな価値観や、自分にない視点に気付くことができるよい機会になるからです。
例えば、日常生活は職場と家との往復ばかりで、人付き合いは職場の組織の中と家族、という行動も人間関係もほぼ決まっている生活では、価値観が固定化してしまいがちです。物事の判断基準も偏ってくるでしょう。
さらに、職場や家庭の役割や人間関係がうまくいっているうちは、特に問題は起こりませんが、今後もうまくいく保証はどこにもありません。そういうときのためにも、自分のアイデンティティーを支えてくれる仲間、居場所を積極的に作っておいた方がよいのです。
新しい出会いが大切なのは、そればかりではありません。
私が面談した中で同じパターンを抜け出した人の話を紹介しましょう。その方は、職場に近いJRの駅の改札を出ると動悸が始まり、会社のビルの前まで来ると、冷や汗が出てくる、と相談に来ました。そこで、私は、「少し遠回りですが地下鉄の最寄り駅から会社に行ったらどうですか?」とアドバイスをしました。いつもと違う道を通って出社したら、気分が変わるのではないかと思ったからです。結果、その方は通勤の経路を変えただけで、冷や汗が出てくることはなくなったそうです。
普段と違う経路で会社に行くだけでも気分が変わるということが往々にしてあります。地下道ではなく地上を歩くだけで気分が変わった経験など、あなたもあるのではないでしょうか。
「同じパターンにはまらない」「同じパターンから抜け出して、新しい出会いを求める」ことを、ぜひ習慣にしてみてください。新しい出会いや場所は、不安やストレスに悩む時間をリフレッシュして非日常を楽しむ時間に変えてくれるでしょう。
いつもの場所、いつものメンバーもいいですが、初めて行く場所、初対面の人だからこそ見えてくる景色や、話せることもあります。悶々としていた猫田くん。自分の頑張りを客観的に認めてもらって、心も体もスッキリできたみたいですね。
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