お話

NPO法人メンタルレスキュー協会 理事長
下園壮太しもぞのそうた

1959年生まれ。防衛大学校卒業後、陸上自衛隊に入隊。初の心理幹部として、多数のカウンセリングを経験。退職後はNPO法人メンタルレスキュー協会でクライシスカウンセリングを広めつつ、産業カウンセラー協会、自治体、企業などに向けてストレスコントロールなどの講演・トレーニングなどを提供。『令和時代の子育て戦略』(講談社)、『「一見、いい人」が一番ヤバイ』(PHP研究所)など著書多数。

休み明けの憂鬱をなんとかしたい!

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休み明けになると「また忙しい一週間が始まるのか」と仕事のことを考えて気が重くなる。特に連休の後ほど気分が沈み、なかなか仕事モードに気持ちが切り替わらない……。誰でも、“オフ”から“オン”への気持ちの切り替えには大きなエネルギーを使います。加えて、休日中に疲労が回復できていないと、休み明けからエネルギー不足に陥って、憂鬱な気分を引きずってしまうことがあります。

現代人にとって、疲労の原因の大部分を占めるのは、実は“人間関係”。私たちは、他人との直接的な関わりの他、SNSやメールなどの間接的なコミュニケーションでも、気付かぬうちにエネルギーを消耗しています。ところが、体力のある若い人ほどこうした感情による疲労を見落としがち。休日にも「目一杯、楽しいことをしよう」「アクティブに過ごしてストレス発散!」などと頑張り過ぎていると、いつしか心身ともにヘトヘトになってしまいます。

休み明けの憂鬱を軽減するために、まず見直してほしいのが、毎日の“疲労ケア”。疲労は蓄積すると取れにくくなるため、早め早めの対策が大切です。ちょっとした疲れも軽視せず、たっぷりと睡眠をとることを心掛けてください。また、“休日の過ごし方”にもひと工夫を。例えば2連休なら、1日は休息にあて、もう1日は趣味など好きなことをする。長期休暇では、のんびりする日を設けつつ、休みが明ける前の数日は少し活動的に過ごすことで仕事モードへと切り替えやすくなります。

エネルギーの充電には、思い切って“何もしないこと”が一番ですが、ヨガやストレッチなどのリラックス系の運動もおすすめ。この他、無心になれる単純なゲームや身の回りの掃除なども、余計なエネルギー消耗を防ぐために役立ちます。

「刺激的なことや激しい運動」は、気分転換にはなっても休息の代わりにはなりません。賢く休息をとる習慣を身に付けておくと、エネルギー切れの状態を招くことが少なくなり、オンもオフもさらに充実させることにつながります。ぜひ、休息の“とり方”に意識を向けてみてください。

休み明けの憂鬱は
心身の疲労のサイン!
疲れがたまり過ぎる前にしっかり休息を

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