怒られるのが怖い

先輩や上司から、指摘されたり注意されたりすることに過剰におびえてしまう―。実際には、そこまで怒られている訳ではないのに、「常にちゃんとしないと」と緊張してしまったり、人の顔色をうかがっては、自分がベストだと思うことを提案するのを尻込みしたりして、そんな自分にもどかしさを感じることは、多かれ少なかれ誰にでもあるものです。

本来、失敗を恐れて慎重になることや、相手の反応を見て行動することは、職場でうまく立ち回るためのスキルの一つ。決して悪いことではありません。

とはいえ、できることならおびえることなく、堂々と自分の考えを伝えられるようになりたいと思う人もいるでしょう。自分を変えるために、言い方を工夫する、自信をつける心理トレーニングをするなどの方法にすがりたくなる気持ちも分かりますが、残念ながら、それらは少しは効果があっても、根本的な解決にはなりにくいもの。一番の対策は、とにかく注意や指摘に「慣れる」こと、これに尽きます。焦らず、自分に合った方法で仕事をしながら、「怒られても次がある」「指摘されたら、修正すればいい」と仕事を進めることに意識を向けます。「また怒られたらどうしよう」などと気にするより、目の前の仕事を終わらせること。手を動かした分だけ、仕事のスキルは必ず上がります。そうしているうちに、だんだんと自分に自信がついてきて、たとえ人と意見が違ったとしても「自分はこう思う」「これをやりたい」と意思表示しようとする気持ちも膨らんでくるはずです。

誰しも、「このままでいいのか」と、不安を感じることはあるものです。しかし、おびえながらも、実際にはそこまで怒られている訳ではないのであれば、まあまあうまくできているのではないでしょうか。「怒られるのが怖い」という気持ちをすぐにどうにかするのは難しいかもしれません。今は、自分なりに仕事に向き合い、経験を積むことに集中する。そのうち、ふと気付いたら、今よりも少し成長した自分に出会えるはずです。