お話

NPO法人メンタルレスキュー協会 理事長
下園壮太しもぞのそうた

1959年生まれ。防衛大学校卒業後、陸上自衛隊に入隊。初の心理幹部として、多数のカウンセリングを経験。退職後はNPO法人メンタルレスキュー協会でクライシスカウンセリングを広めつつ、産業カウンセラー協会、自治体、企業などに向けてストレスコントロールなどの講演・トレーニングなどを提供。『令和時代の子育て戦略』(講談社)、『「一見、いい人」が一番ヤバイ』(PHP研究所)など著書多数。

理不尽に怒鳴られた!

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こちらには非がないのに、相手の勘違いによって理不尽に怒鳴られてしまったら―。その相手が職場の先輩や上司であった場合には、その後も相手とうまくやっていくために、「反論せずにその場は平静を装う」という人も少なくないはずです。ただ、そのときは事を荒立てずに済むものの、後になって「勘違いで怒鳴ったのに、なぜ謝らない!」「もしかして反撃すべきだった?」などと、悶々とした感情を抱えてしまうことも。“大人の対応”ができたと自分を納得させたい一方で、相手にぶつけられなかった感情を持て余しているというわけです。

こんなふうに抱え込んだ感情に振り回されてしまうときのおすすめの対策の一つが、料理をすること。「怒鳴られて腹が立った」「信頼を裏切られた」など、感情を具体的にイメージしながら具材を切り、炒め、煮込んで料理を作るのです。最後には、料理を“おいしくいただく”ことも大切なポイント。ネガティブな感情とできるだけ距離を取りながら対処する方法もありますが、強い怒りを抱えている場合には「思い出さないこと」自体が難しいもの。ほどよい集中力が求められる「料理」をしながら感情と向き合うと、近過ぎず遠過ぎず、絶妙な距離感を保つことができるのです。

相手に非があるのだから、気持ちを理解してもらった上で謝罪なり反省の態度なりを示すのが筋だと思う人もいるでしょう。特に女性は、相手に対し「正しい行いをしてほしい」「感情をきちんと分かってもらいたい」という気持ちが働きやすい傾向があります。それが通用する相手なら、素直に気持ちを訴えてみてもよいかもしれませんが、期待した通りの反応が得られるのは残念ながらレアケース。逆に言い訳をされるなど余計に疲れる結果を招くこともあるので、あまりおすすめしません。

自分なりにその場を丸く収めることができたのであれば、それだけでも上出来です。次にすべきは感情のケア。いつまでも嫌な感情に振り回されていてはもったいない!料理と一緒に消化して、そんな感情とはおさらばしてしまいましょう。

抱え込んだ感情をスパイスに
おいしい料理に仕立てていただく!
気持ちも晴れて、心も体も元気になります

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