監修
せたがや内科・神経内科クリニック 院長 久手堅司くでけん つかさ
2003年東邦大学医学部卒業。2013年より現職。全国でも数少ない気象病外来、
寒暖差疲労外来を開設している。著書に『気象病ハンドブック』(誠文堂新光社)など。
天気が変わるときに起こるさまざまな不調は、「気象病」や「天気病」と呼ばれています。正式な病名ではありませんが、近年そのメカニズムが明らかになってきました。
気象病は、気温・湿度・気圧の3つの「変化」に、体 が対応できず自律神経のバランスが乱れることで起きると考えられています。梅雨や台風の時季、季節の変わり目など、特に変化が激しいときほど要注意です。
気温や湿度の変化は皮膚が感知して脳に伝えられますが、気圧の変化は耳の奥にある「内耳」が感知します。この変化が信号となり脳に送られ、脳から自律神経に情報が伝達。天気の変化で自律神経のバランスが乱れ、正常に機能しないと不調が起こります。
主な症状は、頭痛や首・肩凝り、めまい、吐き気、全身の倦怠感など。また、うつ症状や、気管支ぜんそくなどの持病が悪化することもあります。
気象病を予防するには、規則正しい生活がカギ。食事や睡眠などの習慣を見直し、季節の変わり目も元気に過ごしましょう。
①②が1つでも当てはまれば気象病の可能性が高く、
それ以外の項目が3つ以上当てはまる場合は、気象病になりやすいかもしれません。
※症状がある場合は自己判断をせず、かかりつけ医などにご相談ください。
朝昼晩と3食、規則正しい食生活を心掛けて。食べ過ぎや消化不良は、胃腸に過度な負担を掛けてしまいます。
最低6時間以上は寝て、朝はしっかり朝日を浴びましょう。寝る前のスマートフォンやパソコン作業はNGです。
ゆっくり、長くできる運動は、自律神経を安定させる効果があるので気象病の予防につながります。
日頃、体の不調や疲労の蓄積がある人ほど、気象病の症状が顕著になる傾向が。趣味など、熱中できるもので気分をリフレッシュする時間を小まめにつくりましょう。
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