監修

せたがや内科・神経内科クリニック 院長 久手堅司くでけん つかさ

2003年東邦大学医学部卒業。2013年より現職。全国でも数少ない気象病外来、
寒暖差疲労外来を開設している。著書に『気象病ハンドブック』(誠文堂新光社)など。

先手を打とうインフルエンザ

早めに備えたい予防対策の基本

インフルエンザの効果的な予防対策は、秋から始めることがポイントです。その一つが予防接種。打てば絶対にかからないというわけではありませんが、重症化の予防が期待できます。インフルエンザウイルスに対抗するための抗体が体内にできるまでの期間をふまえ、11月頃までには接種をしておきましょう。

インフルエンザと風邪の大きな違いは、風邪は症状が比較的ゆっくりと進むのに対し、インフルエンザは急激に症状が現れる点です。潜伏期間は1~4日間程度。多くの場合は1週間程度で治りますが、高齢者や幼児、妊娠中の人、持病のある人の場合は重症化のリスクが高く、肺炎を併発するなどの恐れがあります。

インフルエンザを単なる風邪と自己判断して外出や出勤を続けると、感染拡大のリスクが高まります。高熱などの症状があるときは、医療機関へ連絡した上で早めに受診を。

元気に冬を迎えるために、健康管理と感染予防で秋からしっかり備えましょう。

感染者が鼻水に触れたり、くしゃみや咳を押さえたりした手で、机やドアノブ、つり革などに触れるとウイルスが付着。感染していない人がそのものに触れ、ウイルスが付着した手で目・鼻・口などを触ることにより、粘膜から感染。

電車やバスのつり革、ドアノブ、スイッチ、階段やエレベーターの手すりなど多くの人が触るもの

顔に手を触れない
不特定多数の人が頻繁に触るようなものに触れた後は手を洗う

感染者のくしゃみや咳、つばなどの飛沫とともに放出されたウイルスを、感染していない人が目・鼻・口の粘膜に浴びることで感染。飛沫は1~2m程度の距離を飛ぶといわれる。

職場や学校、満員電車など多くの人が集まる場所

不要不急の外出をしない
人の多い場所をなるべく避ける
外出時間を短くする

正しい手洗いを小まめに行い、手を清潔に保ちます。アルコール製剤による消毒も効果的です。咳やくしゃみをする際は、マスクの着用や、ティッシュ・ハンカチ、袖などで口や鼻を押さえる咳エチケットの習慣を。

ティッシュハンカチがない場合は上着の内側で覆う

マスクは鼻から顎までしっかり覆う

流行前の早めの予防接種と、体力維持のために十分な睡眠と栄養バランスのよい食事も大切です

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