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介護予防活動モデル事例
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いきいきセラピー達人育成講座
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広島県安芸津町 人口:12,415人 高齢化率:27.6% 保健師数:4名
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介護予防活動モデル事例
1. 安芸津町の概要
2. 事業の背景
3. 事業の内容
4. 成果と課題
「健康日本21地方計画」推進活動モデル事例
1. 事業の背景
2. 事業の内容
3. 成果と課題
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安芸津町の概要
   安芸津町は,広島県の中央南部の沿岸に位置し,人口約1万3千人の町です。
古くは万葉集にも詠われているように港として,また海運の町として発展するとともに,広島杜氏の発祥の地として栄え,瀬戸内海の風光明媚で温暖な気候に恵まれ,カキ,ジャガイモ,びわなど多くの特産品があります。
 昭和18年に町制を制定して,平成15年に60年を迎えました。この間,先人の英知と町民の皆様の暖かい郷土愛とたゆまぬ努力に支えられ,今日まで着実に発展して参りました。
 21世紀を迎えた今,少子高齢化,情報化,国際化など社会情勢が大きく変貌しつつあり,この流れを的確にとらえ,次の世代に誇りをもって残せる豊かな地域社会を実現するため,「バリアフリータウン・あきつ」を都市像としたまちづくりを進めています。この目標の実現に取り組んでいくための基本目標として,「あかるい環境」「きらめく個性」「つちかう交流」を3つの柱とし,積極的にまちづくりを進めています。
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事業の背景
   社会経済の進展は,少子高齢社会を促進するとともに,社会生活及び家庭生活の複雑化を招き,心理的・身体的ストレスが増加している状況があります。
 そのため,本来の自分を取り戻す必要があり,セラピー事業によって「心と体を癒す」ことにより,自然治癒力を回復し,QOLの実現を目指すため,セラピスト支援補助員の育成やセラピストを目指す人たちのステップアップのための育成講座を開設しています。
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事業の内容
   「いきいきセラピー達人育成講座」は,隣接の竹原市との広域事業として2001年に「広域的地域福祉推進交流プロジェクト会議」のセラピー事業として立ち上げました。
 本事業は,セラピー事業により心と身体を癒し,自然治癒力を回復し,生活の質の向上を目指すため,セラピスト支援補助員として達人の育成やセラピストを目指す人たちのステップアップのための育成講座を開設することを目的としています。
 地域にセラピーを広めるための達人を育成するということで,初年度と2年目の対象者は,保健事業関係の地区組織を中心に,社会福祉協議会へ人選を依頼しました。また,まずはと言うことで保健師や看護師も受講しています。3年の継続事業であり,毎年30人の達人を育成してきました。この2年間で60名の達人を育成しましたが,今年度は達人の方々が更にステップアップする年にしたいと考えると同時に,一般の方々の参加も積極的に呼びかけていきたいと考えております。
 セラピーの内容は,「園芸セラピー」「音楽セラピー」「アートセラピー」の3領域で,講師は,広島国際大学の教授及び助教授にお願いしています。
 講座は,次に示すように総論及び各論(園芸・音楽・アート)からなり,講義と体験を中心に展開しています。
 3年目の今年から,達人が自立支援のデイサービスや機能訓練教室等の場において,3つのセラピーそれぞれで学習したことを住民の方々に還元すべく,講師の指導のもと,セラピーを実践しています。
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   いきいきセラピーについての概要を総合的に理解してもらうべく,達人育成講座参加者全員を対象に総論講座を実施しました。
   
 
日 時 内 容
5月29日(水)
13:30〜15:30
○開講式
○セラピー入門
 広島国際大学 教 授 吉長 成恭
        助教授 小坂 哲也
        助教授 田中 久江
 ・園芸セラピーについて
 ・音楽セラピーについて
 ・アートセラピーについて
6月17日(月)
13:30〜15:30
○社会福祉に関する知識
 竹原市社会福祉協議会事務局長 三好 一史
 ・利用者の思いと福祉の視点
 ・自立支援のポイントは,良いところを探して褒めること
 ・社会の中の1人を大切にして,普通の人間関係づくりをする
 ・キーワードは,「共感」「純粋」「無条件肯定」
6月24日(月)
13:30〜15:30
○介護概論,介護技術入門
 安芸津町社会福祉協議会 専門員 原田 敦子
             主任ヘルパー 平川 裕子
 ・社会福祉協議会について
 ・介護のポイント
 ・おすすめケアプラン
7月15日(月)
13:30〜15:30
○お年寄りの心と身体〜その接し方
 広島大学教育学部 教 授 船津 守久
 ・高齢者・障害者(児)の理解と関わり
   
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space 第1回「みーんなあつまれこども広場」
 
 運動機能の維持・向上や精神的効果,社交性の向上,レクリエーションとして草花や自然に親しむことを目的にしています。一言で言うと “福祉のための園芸”ということですが,花植え,リハビリメイク,フラワーデザイン,ハンドマッサージ,ハーブソーセージづくりなど,幅広い内容となっています。
   
 
日 時 内 容
9月4日(水)
10:00〜11:30
○ひだまりの家の庭園設計について
 ・フラワーポットへの花植え(ひだまりの家参加者と共に)
10月23日(水)
13:30〜15:30
○園芸セラピーについて
 広島国際大学 医療福祉学部 教 授 吉長 成恭
○リハビリメイクについて
 ビューティーセラピスト 三上 京
 ・リハビリメイクの実際
11月14日(木)
13:30〜15:30
○カラーコーディネートについて
 カラーコーディネーター 栗栖 みどり
 ・色とイメージについて
 ・パステル画の実際
11月27日(水)
13:30〜15:30
○フラワーデザインについて
 フラワーデザイナー 渡辺 満里子
 ・クリスマスリースづくり
12月16日(月)
10:00〜13:00
○クリスマス会〜「ひだまりの家」で
 ・クリスマスリースの展示
12月19日(木)
13:30〜15:30
○園芸福祉について
 広島国際大学 医療福祉学部 教 授 吉長 成恭
 ・「初級園芸福祉士認定試験」受験講座
1月18日(土)
10:00〜12:00
○園芸福祉について
 広島国際大学 医療福祉学部 教 授 吉長 成恭
 ・「初級園芸福祉士認定試験」受験講座
2月13日(木)
13:30〜15:30
○「ひだまりの家」庭づくり講座
 (株)カジオカLA 1級造園施工管理技師 山本 信男
 ・「ひだまりの家」庭づくりについて
2月15日(土)
9:00〜12:00
初級園芸福祉士認定試験
2月19日(水)
13:30〜15:30
○アロマセラピーについて(ハンドマッサージ)
 アロマセラピスト かほりの館 国元 洋子
 ・ハンドマッサージの実際
3月4日(火)
13:30〜15:30
○アロマセラピーについて(ハーブソーセージづくり)
 アロマセラピスト ハーブとアロマの会 高松 雅子
 ・ハーブソーセージづくり
   
space 託児ボランティア「猿島地区更正保護女性会」
 
 外見上の気になる部分にメークを施すことによって,自信や積極性を持たせる手法です。高齢者にも,気持ちが若返るなどの効果があるとされています。
   
space 託児ボランティア「猿島地区更正保護女性会」
 
 花の部分だけを使って,「モザイク」を作る簡単なフラワーアレンジメントを行います。創造的な表現の機会を提供することで,手と目の協調と細かな運動能力を高める効果があります。
   
space 託児ボランティア「猿島地区更正保護女性会」
 
 庭に棲む何種類かの昆虫について調べ,害虫と益虫を見分ける目を養います。クライアント間の社会的な相互関係を促進することにもつながります。
   
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space 第1回「みーんなあつまれこども広場」
 
 音楽のもつ生理的・心理的・社会的働きを用いて,心身の機能の回復,機能の維持改善,生活の質の向上,行動の変容などに向けて,音楽を意図的かつ計画的に使用することを目的にしています。
   
 
日 時 内 容
8月5日(月)
10:00〜12:00 
13:30〜15:50
○音楽セラピーについて
 広島国際大学 医療福祉学部 助教授 小坂 哲也
 ・高齢者の音楽療法について(I)
 ・「リハビリ教室」での音楽セラピーの実際
9月9日(月)
13:30〜15:30
○音楽セラピーについて
 広島国際大学 医療福祉学部 助教授 小坂 哲也
 ・高齢者の音楽療法について(II)
10月7日(月)
10:00〜12:00 
13:30〜15:50
○音楽セラピーについて
 広島国際大学 医療福祉学部 助教授 小坂 哲也
 ・音楽セラピーの実際について
 ・「リハビリ教室」での音楽セラピーの実際
11月11日(月)
13:30〜15:30
○音楽セラピーについて
 広島国際大学 医療福祉学部 助教授 小坂 哲也
 ・痴呆性老人の理解について
 ・「リハビリ教室」での音楽セラピーの実際
12月16日(月)
10:00〜13:00
○クリスマス会〜「ひだまりの家」で
 ・トーンチャイムの演奏
1月27日(月)
13:30〜15:30
○音楽セラピーについて
 広島国際大学 医療福祉学部 助教授 小坂 哲也
 ・高齢者の音楽療法について(I)
 ・「リハビリ教室」での音楽セラピーの実際
2月17日(月)
10:00〜12:00 
13:30〜15:30
○音楽セラピーの実際
 広島国際大学 医療福祉学部 助教授 小坂 哲也
 ・セッションの予行演習
 ・「リハビリ教室」での音楽セラピーの実際
   
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space 第1回「みーんなあつまれこども広場」
 
 色は言葉を持った生き物であり,言葉以上の真実と迫力をもっています。生活の中に色を意識して使うことにより,自然治癒力を高め,五感を開いたりストレスケアを行うことを目的としています。
   
 
日 時 内 容
8月2日(金)
10:00〜12:00
13:30〜15:50
○アートセラピーについて
 広島国際大学 保健医療学部 助教授 田中 久江
 ・わたしとアートとの出会い
 ・いろ・色を使って,楽しい自己紹介
 ・あなたの感性を磨く色彩レッスン
 ・演習
8月9日(金)
10:00〜12:00
13:30〜15:30
○アートセラピーについて
 広島国際大学 保健医療学部 助教授 田中 久江
 ・カラーダイアリーをつけてみて
 ・色彩が人の心に与える効果
 ・色と健康には深い関係がある
 ・色が導く多彩な能力・演習
11月25日(月)
10:00〜12:00
13:30〜15:50
○アートセラピーについて
 広島国際大学 保健医療学部 助教授 田中 久江
 ・色彩達人になる8つのステップ
 ・演習「コラージュ」でこころを表現しよう
12月2日(月)
10:00〜12:00
13:30〜15:30
○アートセラピーについて
 広島国際大学 保健医療学部 助教授 田中 久江
 ・フェイスペインティングについて
 ・フェイスペインティングの演習
12月16日(月)
10:00〜13:00
○クリスマス会〜「ひだまりの家」で
 ・フェイスペインティングの実際
   
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事業の成果
 
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「自分が学習することは問題ないのですが,人に伝えるのは・・・」という人もいますが,複数での実践を通して,皆が達人としての自信を深めて来つつあります。達人の方達がセラピーの良さを体験し,それを地域に普及していくという地道な活動ですが,これからは色々な場面でセラピーの対象者も当初高齢者を対象としてきましたが,子ども達への実施や,世代間交流でのセラピーを実施していきたいと考えています。
地域への普及啓発は今後の課題ですが,達人の地域での実践に伴い,少しずつ広がりを見せています。達人自身がセラピーの良さを体験しているので,実践しながらの普及となっています。地域づくりの手段としてセラピーを取り入れて活動していますが,今後は,効果判定をしながら事業を推進していきたいです。
毎年度の講座修了時にアンケートを実施しており,達人の感想として,概ね高い満足度を得られました。その一例を下記に紹介します。
  園芸セラピー講座を受講することによって,今まで自分なりに感覚的にわかっていた園芸(ガーデニング)の効用を理論的に再認識することができた。
  画期的な企画であり,合併後も今までの積み重ねが生きて成果が現れるまで続けて欲しい。
  「少子高齢社会」において,人間性を取り戻すスローライフ獲得手段の一媒体として,「いきいきセラピー事業」は,今後,ますます必要且つ期待されるものになってくると思う。「いきいきセラピー」のネーミングが示すように,講座特に実習を楽しみながらリフレッシュを図ることができ,健康を与えられます。いきいきセラピー事業は,子ども・高齢者・障害者・病弱者の個人・組織を問わず求められている事業だと思う。
  地域のボランティア活動に活かされつつあると思う。
  人間社会の共同生活を行う上での潤滑油的なところが考えられる。
  いきいきセラピー事業は,心身の生活疲労を癒し,リフレッシュさせてくれる。そして間断なく元気と生活意欲を作り出す手段として生活に直結し,生産的な活動を醸成してくれることにもつながっていると思う。例えば「園芸福祉」,花や植物を育てる活動を通して心身のリフレッシュを図り,健康な生活のトータル品質を高めることができることからも理解できる。
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「健康日本21地方計画」推進活動モデル事例
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乳幼児向け防煙教材作成事業の推進
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事業の背景
   「まめじゃが!安芸津21」を住民とともに作成し,未成年者の喫煙対策の目標を0%としました。この目標を住民とともに決めたこともあり,どうやって目標を達成するかという話し合いの中で,現在喫煙している人たちではなく,未成年者を対象に事業を展開していこうということになりました。
 また,目標年度は2010年であり,保育所の児童を対象に喫煙教育をするのが,他で実施していないこともあるし効果的ではないかということになり,母子保健推進員さんに投げかけてみました。すると,母子保健推進員さんより,子ども達の健康を守るためにやってみたいとの意見があり,乳幼児向けの防煙事業に取り組むことになりました。
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事業の内容
   最初に,喫煙について学習会を開き,他地区で実施している未成年者への事業も調査してみました。しかし,中学生・高校生向けのものが多く,保育所児童を対象としているものはなく,シナリオから方法も自分たち独自で考えることになりました。
 (財)広島県環境保健協会のアドバイスをいただきながら,シナリオのアイディアを皆で考え,作成しました。方法は,保育所児童に興味を持ってもらえるよう, ペープサートで行うことになり,絵を描いたり色を塗ったりと母子保健推進員各自が得意な分野を担当しながら作成しました。
 保育所児童の理解力を考えながら,保育士のアドバイスも得ていこうと考えていますが,家に帰って子どもからタバコについての問題提起を保護者に行ってもらえる事を期待しています。
 完成したら,地域の保健所を巡回しながら未成年者の喫煙問題の解決に向けて評価しながら実施していきたいと考えています。
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成果と課題
   保育園児に対する防煙教育であり,成果が現れるのはまだまだ先のことと思われますが,継続的に事業の評価を行い,成果が見られるような事業展開に努めていきたいと考えています。
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調査員:全保協常務理事 山田 喜久夫   ヘルスケア総合研究所 正代 剛一
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