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人口:31,676人 高齢化率:16.8% 保健師数:7名 | |
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1. 矢本町の概要 2. 「健康プランやもと21」策定に取り組んだ背景 3. 計画策定にあたっての保健師の位置づけ 4. 情報収集の方法 5. 健康づくりの目標(スローガン) 6. 計画策定のための組織 |
7. 「健康プランやもと21」における事業の柱 8. 保健事業の内容 9. 数値目標の設定 10. 「健康プランやもと21」策定の成果 11. 今後の課題 |
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矢本町は,仙台市から北東へ約40kmの距離にあり,市街地中央部には広域石巻圏と仙台市を結ぶ国道45号とJR仙石線,市街地北部には三陸自動車道がそれぞれ東西に平行して横断しています。 地形的にも,北西には町内が一望できる滝山などが標高35mから90mの丘陵地が連なり,中央部から東部にかけては平坦な土地が広がる地勢で,白砂青松を誇る海岸線沿いには,広く町内外の親子連れで親しまれている150haの県立都市委公園「矢本海浜緑地」があります。そのような恵まれた自然環境と交通・立地条件にあって,必然的に土地区画整理等による宅地化が進み,町の人口は31,676人(平成13年3月31日現在)に及び,広域石巻圏において最も高い人口増加率を示しています。 また,南部には約370haの広大な敷地を有し,「ブルーインパルス」で全国的に知られる航空自衛隊松島基地があり,毎年7月の最終土日に開催される「航空祭」には全国各地から航空ファンが訪れています。 |
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矢本町は,母子保健計画については策定を終えていましたが,保健計画については未着手の状態でした。そのような折り,宮城県の方から「先駆的事例として,保健計画を策定してみないか」との打診がありました。 矢本町では,母子保健計画を手作りで策定していたため,保健計画についても手作りでオリジナルなものを作れると考え,策定に着手することとしました。 |
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矢本町においては,栄養士がリーダーとなって計画策定を進めました。 また,首長や上司は,策定にとても協力的であり,スムーズに計画立案を進めることができました。特に首長には,夜間の会議にも積極的に参加していただきました。 |
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平成12年に,町内に居住する満20歳以上の男女1,200名(機縁法により,調査員の居住する隣人,近所の知り合いを対象に,調査員1人当たり30人を調査対象者として選定)を対象に,「矢本町民健康意識調査」を実施しました。 調査項目は,生活に関すること,食生活に関すること,飲酒に関すること,喫煙に関すること,運動に関すること,健康に関すること,健康づくりのための環境整備に関することなど多岐にわたり,矢本町民の生活習慣,健康活動,健康への意識などについて明らかにすることができました。 |
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「矢本町民健康意識調査」結果の概要(一部を抜粋して掲載) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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県の資料等を活用し,矢本町の人口構成,平均寿命,健康寿命,疾病構造の状況,健康診査の受診状況等について把握しました。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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「健康プランやもと21」のスローガン | |
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平成13年5月 健康プランやもと21策定委員会を設置しました。 | ||||||||||
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※ わが町健康鑑定団 「健康プランやもと21」を地域住民が自ら考え,策定するためのヘルスボランティアとして町で公募し,発足しました。立候補によって40名の方々が集まり,計画策定に多大なご協力いただくことができました。 |
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実働部隊として,ワーキンググループを組織化しました。 ワーキンググループは,たばこ・アルコール部会,減塩・血圧・運動・体重管理部会,生きがい・趣味・休養部会の3部会から構成されています。 |
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事業の柱は,重点健康目標として3本の柱を掲げました。 | |
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「健康プランやもと21」では,重点健康目標の達成に向けて,町民が取り組む内容,町が取り組む内容を分けて掲載することで,それぞれの役割を明確にしました。 | ||
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1) | 高血圧を予防しましょう! (1)定期的に血圧をはかり,血圧値をコントロールします。 (2)塩分をとりすぎないよう心がけます。 (3)漬け物をとりすぎないようにします。 (4)みそ汁を1日3杯以上とらないようにします。 |
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2) | 体重をコントロールしましょう! (1)適正体重になるようにコントロールします。 (2)間食を控えるように心がけます。 |
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3) | 高脂血症を予防しましょう! (1)肉より魚を多く食べます。 (2)野菜を毎食食べます。 (3)一日に緑黄色野菜を両手1杯分食べます。 (4)1日に淡色野菜を両手2杯分食べます。 |
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4) | 食生活改善により生活習慣病を予防しましょう。 バランスの良い食生活を心がけます。 |
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5) | 運動不足を解消しましょう! (1) 1日30分以上の運動を週2回行います。 (2)ウォーキングなど,楽しみながら体を動かします。 (3)仕事の合間に体を動かします。 (4)近いところへは,なるべく自転車や徒歩で行きます。 (5)社会参加(趣味やボランティア活動)で体を積極的に動かします。 |
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6) | 節度ある飲酒を心がけましょう! (1)お酒の飲み過ぎによる健康への影響がわかります。 (2)晩酌は[節度ある適度な飲酒量]を守ります。 (3)飲み過ぎないようにします。 (4)休肝日を週2日以上設けます。 (5)家族ぐるみで節酒に取り組みます。 |
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1) | 町民の皆さんが健康や食生活を見直そうとする意識を高めていただけるように支援します。 (1)健康情報の提供 ・ 健康や食生活に関する「講演会」や「シンポジウム」等の開催 ・ 地場産品を利用した新鮮で栄養豊富な野菜料理の考案・啓蒙 ・ 広報誌や健康づくり情報誌等による血圧や体重管理,運動,食生活に関する情報の提供 ・ 生涯学習メニュー情報の提供 (2)啓発普及 ・ 「やもとの生活習慣病予防10か条」の作成・啓発 |
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2) | 脳血管疾患を予防するため,町民の皆さんが自ら学習できる機会を提供します。 (1)減塩のための健康教室,料理教室の開催 (2)減塩のためのパンフレットの作成・普及 (3)醤油以外の調味料を使用した減塩料理の開発・普及 (4)運動と体力づくりを関連させた健康づくり事業の実施 (5)初心者が取り組みやすい「初心者のためのスポーツ教室」の開催 (6)誰にでもできる「軽運動教室」の開催 (7)地域に密着したウォーキング事業の実施 (8)生活習慣病予防のための事業の充実 (9)高齢者向けの教室を充実 (10)地区住民のための「健康相談会」の開催 |
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3) | 健康づくりを実践しやすいように,体制や環境づくりを行います。 (1)会議などで時間が長くなる場合など,軽運動(ストレッチ体操)の場の提供 (2)地区相談会は,地区住民の誰もが相談に来られるような場にします。 (3)勤労者や日中忙しい人のために,基本健診事後指導会を夜間に開催 (4)身近な施設や地域の施設を利用したスポーツ教室や筋力アップ教室の充実 (5)高齢者や障害者もできる軽運動のプログラム開発と指導者の養成 (6)ボランティアの育成 (7)新しいウォーキングコースの開発 (8)栄養成分の表示推奨 |
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4) | 町民の皆さんが,アルコールについての知識を高められるようにします。 (1)アルコールと健康について学ぶ機会の提供 (2)情報提供 ・ 広報,健康づくり情報誌の提供 ・ アルコールと健康についてのパンフレットを健診結果と合わせて送付 ・ 町内の医療機関や施設などにパンフレットを設置 (3)啓発活動 ・ 保健相談センター等に"登り旗"やポスターを掲示 |
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5) | 節酒や断酒を考えている人をサポートします。 (1)保健相談センター内に相談窓口の設置 (2)情報提供 ・ 広報などで断酒会や専門の医療機関の情報を提供 ・ 晩酌に代わる過ごし方等パンフレットの作成・提供 ・ 多量飲酒者における肝機能,コレステロール等の有所見者の割合を周知 |
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6) | 未成年者へアルコールに関する正しい知識を普及します。 教育 ・ 小中学生がアルコールの健康影響についての正しい知識を持つことを目的としたパンフレットの作成・配布 |
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1) | 喫煙の害を知りましょう! たばこの害を知って健康を守ります。 |
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2) | 禁煙について考えてみましょう! (1)たばこを吸わない新しい習慣を身につけます。 (2)たばこをやめる強い意志を持ちます。 |
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3) | 分煙に協力しましょう! (1)受動喫煙を防ぎます。 (2)喫煙するときは周囲への配慮を忘れません。 |
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1) | たばこの害に関する知識を高められるようにします。 (1)講演会の開催 (2)情報の提供 ・ 母子手帳交付時における喫煙の害についてのチラシ配布 ・ 広報や健康情報誌でたばこと健康についての情報提供 ・ 循環器検診受検者や町内各事業所に,たばこと健康についてのパンフレットを配布 |
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2) | たばこをやめたいと思っている人をサポートします。 (1)禁煙教室の実施 (2)保健センターに禁煙相談窓口を設置 (3)情報提供 ・ 禁煙外来のある病院の周知 ・ たばこをやめる方法や禁煙中の過ごし方等のパンフレットの作成・配布 |
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3) | 分煙をすすめるための環境づくりを行います。 (1)喫煙マナーの普及 (2)分煙意識の浸透 ・ 禁煙・分煙の実施企業や食堂などを認定または表彰 |
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1) | 生きがい・趣味を持ちましょう! (1)好きなことにチャレンジします。 (2)様々な行事や教室に参加します。 (3)多くの仲間と交流します。 (4)家族や同僚が行事に参加するときは,協力します。 |
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2) | 質の良い睡眠で,休養をとりましょう! (1)睡眠に適した環境をつくり,快適な睡眠をとります。 (2)家族みんなで生活リズムを整えます。 |
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3) | 鋭気を養うため,効果的な休みをとりましょう! (1)休日は,趣味や好きなことをして,「休み上手」になります。 (2)月に1回は「家族の日」をつくり,家族で楽しく過ごします。 |
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4) | 自分に合ったストレス発散方法を知りましょう! (1)プラス思考で生活します。 (2)気分転換をはかります。 (3)お互いに相手の役割・立場を理解し,協力します。 (4)自分なりの心のリラックス法などを見つけます。 (5)自分自身のストレスの状態を知るようにします。 (6)自分の感情や考えを上手に表現します。 |
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5) | 悩みなど気軽に相談できる相手を持ちましょう! (1)家族や友人とコミュニケーションを多くもつようにします。 (2)友人・地域の人との付き合いを広げます。 |
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1) | 町民の皆さんが積極的に生涯学習に取り組み,生きがいを持って生活を送ることができるようにします。 (1)魅力ある各種教室づくりの実施 (2)愛好会活動の支援 (3)情報提供 ・ 各機関と連携を図り,各種教室や行事の情報の管理・提供 ・ 「みやぎ学習の森ねっと」(コンピューターによる情報提供)の普及 ・ 「生きがい探し相談」(生涯学習相談)のPRと各種相談に合わせた情報提供 (4)参加しやすい環境づくり ・ 各種行事に参加しやすいよう,町民バスの運行ルート,時間について関係課と調整 ・ 送迎ボランティアの確保 |
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2) | 地区活動を通して,地域交流を活発にし,助け合いの気持ちを持てるようにします。 (1)地区活動の活性化 (2)地区施設の利用促進 |
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3) | 質の高い睡眠をとり,元気に生活できるように正しい知識の普及を図ります。 (1)講演会の開催 (2)睡眠に関する健康教室の開催 (3)不眠相談窓口の設置 (4)情報の提供 ・ 睡眠についてのパンフレットの作成・普及 ・ 不眠を診療している専門医療機関の紹介 (5)関係機関の連携,調整の推進 ・ 町内医療機関や不眠を診療している専門医療機関との連携・調整 |
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4) | 自分のストレス状態を知り,自分に合ったストレス発散方法をみつけ,心豊かに生活できるように支援します。 (1)リラクゼーション法の実技講習会の開催 (2)情報提供 ・ ストレスが健康に及ぼす影響についてのパンフレットの作成・配布 ・ ストレスの自己チェック表の作成・普及 ・ 各種相談機関の一覧表の作成 ・ 必要に応じた相談機関,医療機関の紹介 |
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5) | 悩みなどによって起こる心の不調を,早期に解消できるように支援します。 (1)相談の実施 (2)情報提供 ・ こころの病気についての正しい知識をもつためのパンフレットを作成・普及 ・ こころの健康に関する講演会や教室の開催 ・ こころの悩み解消法などの普及 ・ 相談機関,医療機関の情報提供 |
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厚生省(現厚労省)の目標値,県の計画の目標値及び町で実施した町民健康意識調査の結果を参考に設定しました。 | |
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プランの策定を通して,保健活動の優先順位が整理され,それぞれの事業の在り方について再確認することができました。 また,職員同士の連携が深まった他,町民との連携も深まりました。特に町民のパワーはすごいと感じられ,これからも町民とともに何かをやっていこうという気運が高まりました。 |
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今後は,保健事業を町全体としてだけ考えるのではなく,地区単位でそれぞれの地区に合ったきめ細かな事業を提供していきたいと考えています。そのためには,町民の健康意識調査を地区毎に分析し,地区毎に課題を話し合って必要とする事業を企画・推進していければと思っています。 | |
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調査員:全保協主事 阿部美紗子 ヘルスケア総合研究所 正代剛一 |
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