6月 使っていますか ジェネリック医薬品

<監修>
医療法人社団湖聖会 銀座医院 院長補佐・抗加齢センター長
常葉大学健康科学部 教授
慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 特任教授

久保 明 くぼあきら

慶應義塾大学医学部卒業。医学博士。予防医療とアンチエイジング医学に取り組み、銀座医院ではプレミアムドックを立ち上げその結果に基づく運動・栄養・点滴療法などを実践している。『人気の「これだけ健康法」が寿命を縮める』(講談社)など著書多数。

「ジェネリック、使ってみたい気もするが…」「医師や薬剤師にご相談ください」
  • 最近よく「ジェネリック」という言葉を見掛けるね。
  • 安いお薬のことでしょう? この間も「ジェネリックにしますか?」と薬剤師さんに聞かれたわ。でも安い薬ってちゃんと効くのかしら。
  • 安かろう、悪かろうじゃ困るしね。
  • ジェネリック医薬品とは、厚生労働省が先発医薬品(新薬)と同等と認めた医薬品です。有効成分、用法、用量、効能は基本的に同じなんです。
  • どうして安いの?
  • 開発に莫大な費用と時間がかかる新薬に比べて、ジェネリック医薬品の開発期間は3年ほど。そのため、費用を抑えることができるのです。
  • 同じ薬なら安い方が良いな。
  • 単純に同じというわけではありません。大きさや味、においなどが改善されたり、保存性が向上するなど工夫が施されたりして、利用しやすくなっているものも多くあります。
  • 安いだけではなくて、改良されているものもあるのね。
  • ただ、有効成分は同じですが、添加剤などはメーカーによって違います。場合によっては飲み合わせやアレルギーなどの問題が出てくることもあるので、注意が必要です。
  • 自分の体質やお薬の特性をきちんと知った上で選ぶことが大切なのね。持病のお薬も変更できるかしら。
  • 高血圧や糖尿病などのように、治療が長期にわたる病気の場合、患者さんの負担額がかなり違ってきます。また、ジェネリックには飲み薬だけでなく、目薬や塗り薬、うがい薬なんかもありますよ。
  • お薬代が安くなるのは助かるわ。
  • 医療機関の窓口や診察時に「ジェネリックで」と希望を伝えてください。薬局で薬剤師に伝えても構いません。ただし、使用している薬にジェネリック医薬品がない場合もありますし、飲み合わせなどの関係でどうしても変えられない場合もあります。
  • 使ってみたいけど、自分からは言い出しにくいわ…。
  • 「ジェネリック医薬品希望カード」などがあると、希望を伝えやすくなります。ジェネリック医薬品を使うと自分の医療費はもちろん、国全体の医療費の節約にもつながります。
  • よし。ものは試しだ。今度の診察のときにお願いしてみるかな。

ジェネリック医薬品を使わないと…
いつものお薬を出しておきますね。
今回も薬代が掛かるなぁ…。
ジェネリック医薬品を使うと…
ジェネリックでお願いします。
いつもの薬より安く済むんだね。

ジェネリック医薬品を利用するには

ジェネリック医薬品を希望する場合は、医師や薬剤師に相談してみましょう。医療機関の受付時や診察時、薬局で処方せんを提出するときなどに「ジェネリック医薬品を希望します」と伝えてください。

ただし、薬の種類や病状、体質などによっては変更できない場合があります。また、使用している薬にジェネリック医薬品がない場合も変更できません。

いきなり切り替えることに不安がある場合は、短期間試せる「分割調剤」も利用可能。利用してみて違和感があったり、体に合わないと感じたりしたら、元に戻すこともできます。

他にも疑問や不安がある場合は、気軽に医師や薬剤師に相談してください。