<監修>
医療法人社団湖聖会 銀座医院 院長補佐・抗加齢センター長
常葉大学健康科学部 教授
慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 特任教授
久保 明 くぼあきら
慶應義塾大学医学部卒業。医学博士。予防医療とアンチエイジング医学に取り組み、銀座医院ではプレミアムドックを立ち上げその結果に基づく運動・栄養・点滴療法などを実践している。『人気の「これだけ健康法」が寿命を縮める』(講談社)など著書多数。
- は〜。何だか頭が痛いわ…。
- 大丈夫? この間の風邪がまだ治ってないの?
- お医者さんでもらった頭痛薬が全然効かないの。これからほかのところに行ってみるわ。脳神経外科か大学病院の頭痛外来か…。それとも総合診療科のほうがいいのかしら?
- ちょっと待ってください。かかりつけ医はいないのですか?
- かかりつけ医?
- かかりつけ医とは、日常的な病気はもちろん、健康について何でも相談できる身近なお医者さんのことです。病歴や体質、健診結果などを把握しているので、総合的な健康管理が可能になります。
- なるほど。
- また、患者さんの囲い込みをせずに必要に応じて別の医療機関などを紹介してくれたり、救急時に適切な対応をしてもらえたりと、患者さんにメリットが多いのです。例えば、ママがこれから別の医療機関に行ったとします。そこでは、今通っている医療機関と同じ検査を重複して行うかもしれません。
- 初診料も薬代も掛かるし、大学病院などを紹介状なしで受診すれば、保険が適用されない保険外併用療養費も掛かります。そして、また同じ検査をするはめになるかもしれませんよ。複数の医療機関をわたり歩けば、薬の飲み合わせや副作用も心配です。
- 時間もお金も掛かる一方ね。薬の副作用も怖いわ。
- 原因がわからないまま医療機関を転々とすれば、肉体的にも精神的にも負担となります。かかりつけ医なら、病歴や体質を理解しているので、症状の原因にすぐ気付けるかもしれません。
- かかりつけ医がいるのといないのとじゃ、全然違うのね。一人ではどうするべきかわからず、途方に暮れてしまうところだったわ…。
- ただし、患者さん自身が日頃から健康に向き合い、かかりつけ医に自分の症状をしっかり伝えることが前提です。検査だけではわからないこともあるのです。
- 自分の体のことですもの。かかりつけ医にサポートしてもらいながら、お金も時間も無駄にせず、いつまでも健康でいたいわ。
かかりつけ医がいないと…
A クリニックを受診
- 初診料
- 検査料
- 投薬料
B 医院を受診
- 初診料
- 画像診断料
- 投薬料
C 大学付属病院を受診
- 初診料
- 保険外併用療養費
- 検査料
- 画像診断料
- 投薬料
かかりつけ医がいると…
かかりつけ医を受診
- 初診料
- (紹介状)
紹介された耳鼻科を受診
- 初診料
- 画像診断料
- 処置料
- 投薬料
かかりつけ医を選ぶ2大ポイント
- 患者の話をよく聞き、病気や治療方針、処方薬のことなどをきちんと説明してくれる
- 患者の「囲い込み」をせずに、必要に応じて専門の医療機関などへの紹介手続きをしてくれる
その他、自宅や勤務先から通いやすく、新しい治療法に興味をもっている医師であることも重要です。ポイントを押さえ、理想的なかかりつけ医を見つけてください。