<監修>
医療法人社団湖聖会 銀座医院 院長補佐・抗加齢センター長
常葉大学健康科学部 教授
慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 特任教授
久保 明 くぼあきら
慶應義塾大学医学部卒業。医学博士。予防医療とアンチエイジング医学に取り組み、銀座医院ではプレミアムドックを立ち上げその結果に基づく運動・栄養・点滴療法などを実践している。『人気の「これだけ健康法」が寿命を縮める』(講談社)など著書多数。
- パパ、今年は健診受けたの?
- いや…仕事が忙しくて、受けてない。でも体調も特に悪くないし、問題ないよ。
- 自覚症状がないからといって、健康とは限りません。最後に受けたのはいつですか?
- 5年くらい前かな。そのとき、肝機能が少し悪かったけど僕はお酒も飲まないからそのままにしてあるな。
- それは危ない!! 生活習慣病は病気がかなり進行するまで自覚症状がありません。それに最近はお酒を飲まない人の脂肪肝(※)が増えています。放っておくと肝炎や肝硬変になるだけでなく動脈硬化が進行し、心筋梗塞などを起こして、ある日突然、倒れてしまうことも考えられます。
- えっ。それは怖いな。
- 手遅れにならないためにも、健診は毎年必ず受けてください。早いうちにメタボリックなどの疑いに気付いて生活習慣を見直せば、病気を防げるかもしれません。そうすれば、医療費を負担せずに済みますね。
- 病気になると、体だけでなく家計も苦しくなりそうね。
- そうです。病気の治療には、通院・入院費や薬代などでお金が掛かりますし、重症になるほど大変です。もちろん治療のための時間も必要で、今まで通りの仕事のペースが続けられなくなることもあります。健診を受けて健康管理をするほうが断然お得なのですよ。
- 健診結果が「異常なし」でも、毎年受けたほうがいいの?
- もちろん。毎年「異常なし」でも、継続的に受診し、健診結果の微妙な経年変化に気が付くことで、自分が注意すべき点がわかります。
- 健診を受けなくても自分は健康だと思っていたけど、これからはきちんと受けなくちゃな。
- 自分の体を過信し、自覚症状だけで判断するのは禁物。実際に健診で約2人に1人には異常所見が指摘されていますが、その後きちんと健康意識を改めた方々のほとんどは、元気に働き続けています。
※非アルコール性脂肪肝(通称NAFLD)。この中の約20%が、非アルコール性脂肪性肝炎(通称NASH)で、お酒を飲まない人でもアルコール性肝障害と同じ症状がみられ、肝硬変や肝臓がんなどに進行する危険があります。