骨粗しょう症は、さまざまな原因によって骨の強度が低下し、骨折しやすくなる病気です。高齢者の場合、それがもとで要介護状態や寝たきりになることも少なくありません。患者の多くは閉経後の女性ですが、最近はカルシウム不足や極端なダイエットにより、若い女性にも骨の弱い人が見られるようになりました。
骨粗しょう症を防ぐには、骨に含まれるカルシウムの指標となる骨密度を増やすことが大切です。しかし、近年、骨密度が高いだけでは骨折は防げないことが分かってきました。骨を建物に例えるなら、コンクリートがカルシウム、鉄筋がコラーゲン。建物は、コンクリートの量が多くても、鉄筋の量が不足していたり質が悪かったりすれば、もろく倒れやすくなります。骨も同じ。骨密度だけでなく、骨質も高めることが必要です。カルシウムはもちろん、骨のコラーゲンの劣化を防ぐビタミンB6、ビタミンB12や葉酸などが含まれる食品もとるようにしましょう。
骨粗しょう症の原因には、加齢など避けられないものもありますが、生活習慣の見直しで回避できるものも(下記参照)。骨密度が減少する中高年以降でも、骨に必要な栄養素をとり、運動を習慣化すれば、骨の強さを維持できます。ぜひ、実行しましょう。