目指せ!健康マイスター

監修松生 恒夫まついけ つねお

松生クリニック 院長

1980年東京慈恵会医科大学卒業。同大学第三病院内科助手、松島病院大腸肛門病センター診療部長を経て、2004年より現職。これまで4万件以上の大腸内視鏡検査を行ってきた、便秘外来の専門医でもある。

腸トラブルは全身の健康に影響 「腸」から健康になろう

人体最大の免疫器官でもある腸

秋はだんだん気温が下がり冬に向かう季節。朝晩の気温差などで交感神経が緊張すると、腸の機能が低下し、便秘や下痢などが起こりやすくなります。

腸は、口から入った食べ物を消化・吸収し、便をつくって排泄する消化器官の一部というだけではなく、体内に入ってきたウイルスや細菌から守ってくれる免疫器官の役割も担っています。

しかも、腸は全身の約60%の免疫細胞が集中する「免疫の要」ですから、腸の働きは全身の健康にも大きく関係します。

何となく感じている疲れやだるさ、肌トラブル、すぐにかぜをひくなどといった体調不良も、腸の機能低下が関係しているかもしれません。腸のトラブルがない「快腸」を維持するにはどうすればよいのでしょうか。

「快腸」を維持する秋の健康法

まずは食生活やストレスなどの生活習慣を改善し、腸の働きを高める生活習慣を心掛けることが大切です。

加えて、おなかを冷やさないこと。室温や服装に配慮したり、食事や運動で体を温めたりして腸を守りましょう。

また、腸と脳は密接な関係にあり、ストレスや緊張が続くと腸の働きが抑えられてしまうので、自分なりのストレス解消法を見つけて実行を。

なお、慢性的な便秘や長引く下痢は何かしらの病気が隠れていることもあります。2週間程度続くようなら、専門医への受診をおすすめします。

腸にダメージうぃ与える生活習慣

朝食抜き 偏食 夜更かし ストレス 便意の我慢 運動不足 無理なダイエット

腸機能の低下が招く全身の不調 腸内環境が悪化して腸内に有害物質がたまり、血流に乗って全身を巡る→結構不良、代謝が低下→頭痛、肩こり、だるさ、肌荒れ(にきび、シミ、黒ずみなど)、肥満 腸内の免疫細胞の働きが悪くなる→免疫力あ低下、病気にかかりやすくなる→かぜをひきやすい、インフルエンザにかかりやすい

「腸力」を高める生活習慣

腸を刺激して働きをよくする 朝はコップ1杯の水を飲む ウォーキングをする 食生活のポイント 食物繊維をとる 発酵食品をとる オリーブオイル(エキストラバージンオイル)を上手に活用

ヨーグルトの食べ過ぎに注意 腸によいイメージがありますが、動物性脂肪が多く、とり過ぎると逆に脂質異常症になることがあります。食べるときは、低脂肪のものを1日小カップ1個程度に。