春は、自律神経失調症の症状として、めまいや耳鳴りが現れやすくなります。
自律神経とは、私たちが生きていくために必要な体温や血圧、内臓の働きなどをコントロールしている神経で、交感神経と副交感神経があります。日中は交感神経が優位になって血圧や心拍数を上昇させ、活動的に動けるようにしています。そして日没後は、副交感神経が優位になり、血圧や心拍数を下げて心身を休めるよう、上手にスイッチの切り替えをしています。
しかし、このスイッチの切り替えがうまくいかないと自律神経の働きが乱れてしまい、交感神経が過剰に働くと血管が収縮し、全身はもとより平衡感覚をつかさどる耳や脳への血流も悪くなります。
また、「寒の戻り」という言葉がありますが、春は暖かい日が続いても強い寒気が流れ込むと急に冬の寒さに戻ります。激しい気圧の変化や寒暖差は、自律神経が乱れる一因です。さらに、春は職場環境や人間関係の変化でストレスが生じやすくなり、自律神経に悪影響が及ぶことで、めまいや耳鳴りが起こりやすくなります。
なお、最近は突発性難聴などが、若い人にも増えています。めまいや耳鳴りが生じたら、まずは受診して原因を調べることが重要です。
自律神経は、規則正しい生活習慣と、上手にストレスを解消することで、バランスを整えることができます。春を元気に過ごすためにも、生活習慣の見直しから始めてみましょう。