私たちの体には、地球を2周半もする長さの血管があり、その中を血液が流れ、酸素や栄養素を運搬し、老廃物や二酸化炭素を回収しています。そのため、全身を巡る血管の通り道が狭くなったり劣化したりすると、血液の仕事に支障が出てきて、全身にさまざまな悪影響を及ぼします。
血管が劣化する一番の原因は動脈硬化で、厚く硬くなることです。加齢とともに血管が老化して硬くなりますが、それだけでなく生活習慣や病気も関係します。若いからといって、血管の状態も若いとは限りません。
若々しく健康な体をつくるには、とにかく血管を若く保つこと。そのカギを握るのが、血管の内壁に並んでいる内皮細胞です。内皮細胞には、血管をしなやかに保つ物質を分泌して、血管壁に侵入したコレステロールが動脈硬化の進行を防ぐ働きがあります。ですから内皮細胞の機能が低下することで、実年齢が若くとも血管の老化が進んで、狭心症や脳卒中などの病気になりやすくなります。
内皮細胞を元気に保つには、食習慣の改善や運動習慣を心掛けることが欠かせません。血管は修復可能なもの。今日から生活習慣を改善して、しなやかな血管にしていきましょう。