歯は重要な消化器官。病気になったり失われたりすると、かむ力が低下して、食べ物の消化吸収が悪くなるほか、食べられるものが制限されて十分な栄養がとれなくなるため、全身の健康に影響します。
むし歯と歯周病は、歯を失う二大原因。これらは、食習慣、肥満、糖尿病、ストレスなどと深く関係している「お口の生活習慣病」だという認識を持ち、予防することが大切です。
むし歯や歯周病になる原因は、口の中の細菌。プラーク(歯垢)はその細菌の塊で、歯と歯肉の間にすみついて歯や周囲の組織をむしばんでいきます。たかが歯の病気と侮ってはいけません。なお、歯を失う原因のトップの歯周病の影響は、口の中だけにとどまらず、炎症を起こして出血した部分から細菌やその代謝産物が血管内に入り込んで、全身に悪影響を及ぼします。動脈硬化、糖尿病などの生活習慣病、脳梗塞、心筋梗塞などをさらに悪化させることも。全身の健康を守るためには、まず口腔内を健康に保つことが重要です。
一度、むし歯や歯周病になると、元の健康な歯には戻れません。丁寧な歯磨きでプラークを取り除いて予防するのはもちろん、食事やストレスなどの生活習慣を見直して、1本でも多く健康な歯を残しましょう。