片頭痛は、ズキズキと脈打つような頭の痛みが月に数回起こる病気です。遺伝的な要因に加えて、多くは気候(気温、湿度、気圧など)の変化や強い光(太陽光やLED照明など)、街の雑踏、週末の気の緩み、空腹、女性ホルモンの変化などが引き金となって起こります。これらの影響を受け、体のリズムや睡眠に重要な役割を果たすセロトニンという神経伝達物質が減少すると、血管が拡張し、炎症が起こります。この炎症が痛みの直接の原因となります。
片頭痛を繰り返しているうちに痛みを記憶した回路が脳にでき、一層片頭痛が起こりやすい状態になります。予防するには、片頭痛の記憶回路を弱める「片頭痛予防体操」(下記参照)をしたり、片頭痛を引き起こす要因を意識的に避けたり、脳内のセロトニン量を安定させるように生活環境を整えたりするなどの方法がおすすめです。
治療としては脳の血管拡張を抑えて痛みを軽減させる処方薬や市販の鎮痛薬などがありますが、飲み過ぎには注意。セロトニンの働きが悪くなります。
痛みに耐えたり薬でごまかし続けたりすると、かえって慢性化を進行させます。継続して頭痛が起こるなら、まずは専門医を受診し、隠れた病気がないか確認を。その上で、セルフケア(下記参照)で片頭痛を上手に予防・改善していきましょう。
片頭痛予防体操を行っていると、脳に良い信号が送られ、片頭痛の記憶回路が弱まるので片頭痛が慢性化するのを防ぐことができます。痛みが起きている最中は動くと痛みが増してしまうので、痛みのないときに行いましょう。
呼吸法によって、血行がよくなったり、脳内のセロトニンの量が安定したりすると、血管の拡張が抑えられて片頭痛が起こりにくくなります。
頭痛ダイアリーを見返して自分の片頭痛が起こるタイミングが分かってきたら、前もって予防を。気圧や湿度などの変化が片頭痛を引き起こす場合は、前もって天気予報などをチェックし、予定を変更したり体調を整えておくなどの準備をしましょう。