外反母趾(がいはんぼし)は、足の親指の付け根の関節が外側へ飛び出してしまう病気です。突き出た親指の関節が靴に当たることで、痛みや発赤を起こします。重症化すると、親指が人さし指の上に重なったり、下に潜り込んだりし、歩行困難になることもあります。
外反母趾は女性に多く見られる病気ですが、それは関節が柔らかいのに加えて足裏の筋力が弱く、足のアーチがなくなりやすいからです。筋力低下を助長する原因としては、足の親指の腹で蹴りださない歩き方、運動不足、加齢などがあります。加えて、先の細い靴やハイヒールを履くことで足指を圧迫したりするのも外反母趾を招く原因となります。
予防・対策としては、まず立ち方や歩き癖の改善、靴の見直しをすること。ほかに、足指を鍛えるストレッチをしたり、足のアーチを補正、親指の関節を矯正する装具を付けたりする方法があります。
こうしたセルフケアを行っても痛みがあり、日常生活に支障を来す場合は、骨を切って関節を本来の位置に戻す手術が検討されます。
巻き爪は、爪の端が内側へ巻き込まれた状態のことをいいます。皮膚に刺さった部分に痛みや炎症が生じます。
主な原因は、①爪の切り方、②靴の選び方、③親指を浮かせて歩く癖の3つ。深爪をしたり、爪の両端を斜めに切ったりすると爪が内側に巻かれやすくなります。また、サイズや形の合わない靴を履くことで爪への刺激が続いて巻き爪になります。さらに、爪は足指が地面に着いたときに力が加わることで平らになりますが、歩行時に足指が地面にしっかり着いていないと爪に力が加わらず、巻き爪になってしまいます。
この3つの原因を改善することが予防、痛みの改善につながります。セルフケアを行っても改善しない場合は、医療機関を受診しましょう。爪の先端に超弾性のワイヤーやクリップを取り付け、爪が真っすぐに生えるよう矯正する治療が行われます。治療を始めると痛みはなくなりますが、巻き爪改善には1、2年程度かかります。
足は全身を支える土台。セルフケアで足トラブルを防ぎ、症状があれば早めに治療を行うようにしましょう。