乳幼児が危ない!猛威を振るうRSウイルス

 RSウイルス感染症という風邪に似た症状の患者が急増しています。この感染症が怖いのは、免疫が不十分な乳幼児がかかると重症化を招きやすいところです。
 RSウイルスに感染すると、発熱、せき、鼻水、頭痛などの風邪に似た症状が現れます。通常は1〜2週間ほどで治まりますが、生後6カ月以内や心臓や肺に病気をもっている乳幼児の場合は重症化しやすく、肺炎や気管支炎を引き起こすことがあります。さらに、意識障害やけいれんが起こる急性脳症、無呼吸による突然死など、命に関わる合併症を招く恐れも。
 RSウイルスは、2歳までにほぼ全ての子供が感染するといわれるありふれたウイルスです。その後も、生涯にわたって何度も感染しますが、成人の場合は感染しても症状が軽く済むため、気付かないうちに乳幼児にうつしてしまうケースが見られます。
 RSウイルスには、直接作用する特効薬やワクチンがありません。感染を防ぐためには、日頃からの手洗いとうがい、マスクの着用といった基本的な予防対策がカギ。また、乳幼児のいる家庭は子供のおもちゃや手すりなど、子供の手に触れる物のアルコール消毒が効果的です。感染症対策を徹底して、最も流行する冬を元気に乗り切りましょう。

CLOSE