体の中では、必要なカルシウムが不足すると、骨からカルシウムが血中に溶け出してきて、補おうとします。したがって、慢性的にカルシウム不足が続いていると、骨がスカスカになってきます。しかも、骨から溶け出したカルシウムは血管壁にたまりやすく、そのカルシウムが石灰化して血管をかたくしてしまいます。
また近年は、肥満と骨粗しょう症との関連も指摘されています。内臓脂肪が増え過ぎると、内臓脂肪から動脈硬化につながるさまざまな物質が分泌されることはよく知られていますが、それらの中には骨に悪影響をおよぼすものもあるようです。
さらに、ストレスも問題です。ストレスで脳の自律神経中枢の働きが崩れると、腸からのカルシウムの吸収が悪くなり丈夫な骨がつくれません。また、骨髄の中では、高血圧などで痛んだ血管の内壁を修復する細胞がつくられていますが、自律神経のバランスが崩れると、この機能も低下してしまいます。
高血圧、高血糖、脂質異常症。これらの生活習慣病が進行しながら動脈硬化が着々と進行する背景には、体の構造の要である「骨」の老化があり、さらにその背後には、脂肪の蓄積やストレスによる自律神経の乱れがすべて絡み合って関与していることが、明確にわかってきました。
ストレスで疲れた「脳」、運動不足と栄養の偏りで弱った「骨」、その負担が心身にたまるほど増える「脂肪」。これらが”負の連鎖”を起こして、動脈硬化が進行しているのです。
骨量減少の背後には肥満やストレスの影響も
骨の健康は、全身の健康に直結!
ここで知っていただきたいのは、骨の健康状態は骨そのものだけでなく、血管の健康、さらには全身の健康に大きくかかわっているということです。
健康な骨を保つには、そのもととなるカルシウムの摂取が欠かせません。そして、カルシウムを効率よく吸収し、骨に沈着させるためには、マグネシウムやビタミンDなどの栄養素も重要です。特にビタミンDは、血中の量が少ない人では心血管障害を起こすことが多い、という注目すべきデータも出ています。ビタミンDは体内で合成されており、太陽の光で合成が促進されますから、毎朝10分ほど日光浴するのもいいでしょう。
また、カルシウムをしっかりと骨に沈着させるためには、適度に体を動かして骨に圧力を加えることが大切です。朝の散歩なら、ビタミンDの合成促進も同時にできておすすめです。
生活習慣で、ぜひ避けたいのが喫煙と睡眠不足。たばこはカルシウムの吸収を妨げますし、睡眠時間が少ないと骨の代謝にかかわる成長ホルモンが十分に分泌されません。そして肥満の人は、減量もお忘れなく。
健康な骨を保つには、そのもととなるカルシウムの摂取が欠かせません。そして、カルシウムを効率よく吸収し、骨に沈着させるためには、マグネシウムやビタミンDなどの栄養素も重要です。特にビタミンDは、血中の量が少ない人では心血管障害を起こすことが多い、という注目すべきデータも出ています。ビタミンDは体内で合成されており、太陽の光で合成が促進されますから、毎朝10分ほど日光浴するのもいいでしょう。
また、カルシウムをしっかりと骨に沈着させるためには、適度に体を動かして骨に圧力を加えることが大切です。朝の散歩なら、ビタミンDの合成促進も同時にできておすすめです。
生活習慣で、ぜひ避けたいのが喫煙と睡眠不足。たばこはカルシウムの吸収を妨げますし、睡眠時間が少ないと骨の代謝にかかわる成長ホルモンが十分に分泌されません。そして肥満の人は、減量もお忘れなく。
こんな生活をしていませんか?
該当する項目が多い人は、骨量が低下している危険性があります。
骨に大切な栄養素と、多く含まれている食品
上手に組み合わせて毎日バランスよくとりましょう。
●カルシウム
牛乳、チーズ、ヨーグルト、豆腐、納豆、がんもどき、わかさぎ、ひじき、いわし丸干し、こまつな、しゅんぎく
●マグネシウム
豆腐、納豆、海藻、ほんれんそう、さつまいも、バナナ
●ビタミンD
さけ、さば、うなぎ、しらす干し、乾しいたけ
●カルシウム
牛乳、チーズ、ヨーグルト、豆腐、納豆、がんもどき、わかさぎ、ひじき、いわし丸干し、こまつな、しゅんぎく
●マグネシウム
豆腐、納豆、海藻、ほんれんそう、さつまいも、バナナ
●ビタミンD
さけ、さば、うなぎ、しらす干し、乾しいたけ
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