暮らしの防災 すぐに役立つ 防災の知恵袋

監修

アウトドア防災ガイド
あんどう りす

自身の被災体験とアウトドアの知識・経験を生かし、全国で年100回以上の講演活動を展開。大人から子供まで、毎日の生活から楽しく取り入れられる防災・非常時の実践的な知恵や提案などが口コミで人気に。webマガジン「リスク対策.com」にて好評連載中。著書に『りすの四季だより』(新建新聞社)。

災害時、寒さから身を守る暖のとり方 重ね着の仕方、空気などをコントロールすれば、体感温度は違ってきます。普段から知っておきたい防寒の知恵をご紹介します。

防寒に役立つアウトドア流の着こなし

寒いからといって、やみくもに着込めば暖かくなるというわけではありません。

汗や雨で体が濡れると、水分が蒸発する際に体温が奪われて体温は低下します。また、風速1m(毎秒)で体温は1度下がります。

水、空気、風をコントロールするアウトドアの着こなし(下記参照)と重ね着の仕方は、寒がりの人はもちろん、災害時にも役立つ、知っておきたい知恵です。

重ね着の知恵

動かない空気は最大の断熱材に

災害時、車中泊を選ぶ人が多いですが、車はエンジンを切るとすぐに冷えます。

外の冷気が車内に伝わらないようにするには、車のガラス窓に銀マットや車用のサンシェード、ドアや床に段ボールやその他の断熱素材のものを張り付けたり敷いたりして対応します。

テント泊を選ぶ場合は、断熱マットを地面に敷けば、下からの冷気が遮断でき、テント内に動かない空気の層をつくることができます。これは、最高の断熱材です。

寒さを感じにくい着こなしや環境づくりには「断熱して空気を動かさない」ことが大切だと、覚えておいてください。

車、テントでの断熱法
軽く感じる「おんぶ」で素早く避難