災害が起きたとき、自宅の被害が少なければ、避難所ではなく慣れ親しんだ自宅で過ごす在宅避難ができます。在宅避難をするには、災害時のための生活必需品を備えておくことだけでなく、家の中の安全性を高めておくことも重要です。
実際に発生したケースには、地震で転倒した家具の下敷きになる、避難しようとして割れたガラスで足にケガを負う、水害により家具が浮かんでしまって避難ができないなどがあり、事前に対策をしておかなかったばかりに事故につながっています。
普段は持てないような重い家電や家具も地震や水害で簡単に移動・落下・転倒します。冷蔵庫をしっかりと固定し倒れないようにすることができれば、いざというとき扉を開けて中の食料を取り出せます。寝室では下敷きにならないよう配置を考えておけば、寝ているときに地震が来ても安心です。
自宅の安全を考えるとき、物を減らすことと転倒の可能性がある家具が本当に必要か検討します。例えば高層マンションでは揺れが大きくなるため、家具自体を置かない工夫が必要です。そして家具を置くなら転倒防止器具で固定をし、もし転倒してしまっても避難経路を妨げない配置にします。器具の取り付けは、賃貸物件なら貸主に確認をしてから行いましょう。公営の賃貸物件の場合、転倒防止器具の取り付けのためのネジ止めに対する原状回復義務を免除している自治体もあります。物が落ちないよう収納・整理をしておく、窓などガラスに飛散防止フィルムを貼っておくなどの対策も◎。事前の備えが自分や家族の身を守ります。