非常食の備蓄というと、長期保存ができるものを選びがちですが、「普段食べている常備食を充実させて非常食にする」ことをおすすめします。
災害時は心身の疲れもたまりやすく、体調が優れないことが予想されます。そんなとき、いつも食べている味やおいしいものを食べると、気持ちが前向きになったり、元気が出たりします。なるべく普段と変わらない食事に近づけるなら、ごはんや麺類などの主食、おかず、汁物はそろえたいところ。ごはんならアルファ米とフリーズドライ米があり、調理時間や食感が異なります。最近では、いつもの料理の一品にそのまま加えられるおいしい缶詰や、栄養バランスのとれたレトルト食品も増えてきています。スープに入れるだけで食べられる切り干し大根などの乾物の他、避難生活で不足しがちなビタミン補給のためにドライフルーツやナッツをおやつに買い置くのもいいでしょう。「食べたら買い足す」常備食は災害時の非常食になります。食べるときに賞味期限切れ、という心配もなくなりますよ。
時間がないとき、自分の体調が悪いときこそ非常食を食べてみましょう。子供がいるなら、自分でお湯を注いでごはんや汁物を作り、缶詰を開ける体験をするよい機会になります。また、食欲がないときでも食べられるか、火を使わないなどライフラインの制限を想定した調理も試してみて。災害前に味や食感などの確認をしておくと安心です。