暮らしの防災 すぐに役立つ 防災の知恵袋

監修

アウトドア防災ガイド
あんどう りす

自身の被災体験とアウトドアの知識・経験を生かし、全国で年100回以上の講演活動を展開。大人から子供まで、毎日の生活から楽しく取り入れられる防災・非常時の実践的な知恵や提案などが口コミで人気に。webマガジン「リスク対策.com」にて好評連載中。著書に『りすの四季だより』(新建新聞社)。

「いつもの」が非常食に! おいしいローリングストックを 災害時、自宅が住める状態なら在宅避難することになります。 いつもの常備食から非常食まで、備蓄について紹介します。

ストックは、おいしくて普段食べたいものを

非常食の備蓄というと、長期保存ができるものを選びがちですが、「普段食べている常備食を充実させて非常食にする」ことをおすすめします。

災害時は心身の疲れもたまりやすく、体調が優れないことが予想されます。そんなとき、いつも食べている味やおいしいものを食べると、気持ちが前向きになったり、元気が出たりします。なるべく普段と変わらない食事に近づけるなら、ごはんや麺類などの主食、おかず、汁物はそろえたいところ。ごはんならアルファ米とフリーズドライ米があり、調理時間や食感が異なります。最近では、いつもの料理の一品にそのまま加えられるおいしい缶詰や、栄養バランスのとれたレトルト食品も増えてきています。スープに入れるだけで食べられる切り干し大根などの乾物の他、避難生活で不足しがちなビタミン補給のためにドライフルーツやナッツをおやつに買い置くのもいいでしょう。「食べたら買い足す」常備食は災害時の非常食になります。食べるときに賞味期限切れ、という心配もなくなりますよ。

おいしいローリングストックのすすめ

忙しい、体調の悪いときが家族で試食のチャンス

時間がないとき、自分の体調が悪いときこそ非常食を食べてみましょう。子供がいるなら、自分でお湯を注いでごはんや汁物を作り、缶詰を開ける体験をするよい機会になります。また、食欲がないときでも食べられるか、火を使わないなどライフラインの制限を想定した調理も試してみて。災害前に味や食感などの確認をしておくと安心です。