暮らしの防災 すぐに役立つ 防災の知恵袋

監修

アウトドア防災ガイド
あんどう りす

自身の被災体験とアウトドアの知識・経験を生かし、全国で年100回以上の講演活動を展開。大人から子供まで、毎日の生活から楽しく取り入れられる防災・非常時の実践的な知恵や提案などが口コミで人気に。webマガジン「リスク対策.com」にて好評連載中。著書に『りすの四季だより』(新建新聞社)。

風水害の発生に備えてマイ・タイムラインを作ろう 風水害が発生した際「自分がどう行動するか」を決めていますか? 命を守るためにも、自身や家族がとるべき行動を計画しておきましょう。

避難のタイミングを逃がさない!

風水害では避難のタイミングを逃さないことが何より重要です。そんなとき役立つのが〝マイ・タイムライン〟。「いつ」「誰が」「どう行動するのか」を時系列にした防災行動計画です。

避難先を考えるとき、自宅が安全であれば在宅避難が一番ですが、自宅以外の場所へ避難をする場合には、感染症対策として、避難所に人が密集しないよう分散避難が勧められています。親戚・知人の家、ホテル、安全な方法であれば車中泊も検討します。家族で話し合って行動計画を作成しておけば、風水害が発生するかもしれないときに慌てず避難できます。

警戒レベル4で危険な場所から全員避難の判断を

気象情報や避難情報を踏まえて記入・作成

マイ・タイムラインのシートは、自治体独自のフォーマットが公開・配布されているほか、国土交通省のHPに「逃げキッド」*1というマイ・タイムライン検討ツールが公開されています。

シートを決めたら、まず居住地域のハザードマップを確認して避難場所を記入します。次に、気象情報や自治体から出される避難情報を踏まえて、いつどうすべきかを書き込みます。このとき、「警戒レベル4で避難」と決めるだけでは、あっという間に警戒レベル5に進行して逃げ遅れることも。また、高齢者や子供、医療ケアが必要な方など、避難に時間がかかる方がいる場合は「警戒レベル3」で災難を避けられる安全な場所へ。

なお、マイ・タイムラインはあくまでも行動の目安。その通りにすれば絶対安全というわけではありません。災害時、状況は刻々と変わります。気象情報や避難情報を小まめに収集し、周囲の状況を確認、臨機応変に行動することが大切です。

*1 国土交通省 関東地方整備局 下館河川事務所HP『逃げキッド』https://www.ktr.mlit.go.jp/shimodate/shimodate00626.html

子供と一緒に風速を時速に計算