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睡眠を妨げるこんな習慣

良い睡眠のためには、1日の過ごし方が重要です。しかし現代社会では、睡眠を妨げる習慣が蔓延しています。何が睡眠を妨げるのか、良い習慣は何かをみていきましょう。

キーポイントは光と深部体温

スッキリとした目覚めのためには、必要なだけの睡眠時間をとり、毎日ほぼ同じ時間に起床したり就寝したりできる体のリズムが重要です。

このリズムを左右するのが、光。中でも朝、日光を浴びることには、体のリズムをリセットする働きがあります。

また、人間は深部体温(体の内部の温度)が下がってくると眠くなり、上がってくると覚醒します。眠る前に手足が温かくなるのは、深部体温を下げるために体表面から放熱するからです。

つまり、活発に動く前には強い光を浴び、深部体温を上げて、眠る準備をする頃には強い光を避け、深部体温を下げることが大切なのです。

心地よい眠りのリズムを阻害する生活習慣

朝食の欠食

朝食は、1日の活動が始まるサインであり、体温を上げ、脳への栄養補給をする観点からも重要です。

脳は眠っている間に記憶の整理などをするため、昼間ばかりでなく睡眠中も栄養を使います。朝食を抜くと、脳の栄養が不足して心身の働きが活発になりません。

熱い湯での遅い時間の入浴

熱過ぎるお湯は深部体温を上げます。湯温は40℃程度でゆっくり入浴したり、足浴で四肢の末端を温めたりすると、手足から熱を放散しやすくなり、入眠しやすくなります。

その場合でも、深部体温を下がらせるまでには時間が必要ですから、入浴は床に就く2時間前ごろまでに済ませましょう。

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明るい照明の下での睡眠

明るい光は、覚醒を促します。眠っている間だけでなく、眠る前にも部屋の照明を暗めにすると、入眠しやすくなります。

最近では、明るい部屋で眠ると太りやすいという研究結果も報告されています。肥満は不眠を招きますので、その意味でも、明るい部屋での睡眠はやめたほうがいいでしょう。

液晶画面を就寝前に見る

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テレビやパソコン、携帯電話の画面などの光は、照明ではないので見落としがちですが、ブルーライトという強い光を発していて、覚醒を促します。監修者の古賀先生の行った実験結果によると、寝る前に1時間スマートフォンを操作すると、寝つきは変わらないものの、睡眠している時間が減り、中途覚醒をする確率も高まったそうです。

こうした機器の利用は就寝2時間前までに終え、床に就く前1時間くらいは穏やかに過ごしましょう。

就寝直前の運動

散歩やウォーキングなどの有酸素運動は、良い睡眠を得るために効果的な方法です。

しかし、眠る直前に行うと、代謝が活発になり、体温が上がってしまって逆効果。眠る直前は静かに過ごすのが大原則です。

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床に就いてから考えごとをする

考えごと、とくに解決しない悩みごとは、良い睡眠の敵です。

寝る直前には整理できていない感情や情報も、一晩眠ることで整理され、スッキリすることがあります。実はこれも睡眠の効果です。

寝る前には「今解決できないことは忘れよう」と意識して、やり過ごしてしまいましょう。

休日の過度の朝寝坊

良い睡眠のためには、リズムを崩さないことが大切です。休日もなるべくいつもと同じ時間に起きましょう。平日の寝不足を解消するのが目的としても、朝10時を過ぎないようにします。

土日など、2日連続で休みの場合、1日目は少々朝寝坊をしても、2日目は平日と同じ時間に起きてリズムを整えると、休み明けにスッキリと目覚めることができます。

お酒の力で眠る

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お酒を飲むと眠くなります。しかし、お酒が残ったまま眠ると、アルコールを代謝し終わったときに中途覚醒しやすいのです。眠りは浅く、
睡眠の質は悪くなります。

寝酒はおすすめしませんが、もしするなら、日本酒なら半合、ビールなら小缶1本、ワインなら1杯、ウイスキーや焼酎なら薄めの水割り1杯程度までにとどめましょう。

睡眠Q&A

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かぜ薬を飲むと眠くなるのはなぜ?
 かぜ薬の多くには、「抗ヒスタミン薬」という有効成分が含まれています。これは、鼻水やくしゃみが出ないように「ヒスタミン」という物質が分泌されるのを抑える薬です。
 ヒスタミンには覚醒作用があるので、この成分の作用をブロックすると覚醒状態が保てなくなり、眠くなるのです。
 この働きを利用したのが、薬局で市販されている睡眠改善薬です。医師の処方がなくても買えますが、薬剤師と相談のうえ、用法・用量をきちんと守って使いましょう。
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