新しいタイプのうつ病
非定型うつ病は、特に20~30代の女性に増えている新しいタイプの心の病気です。
従来のうつ病は、どんなことにもやる気が起きず、ずっと気分が落ち込んだままになります。非定型うつ病は自分の嫌なことに対しては憂鬱になり、体が動かせないほど体調も悪くなるのに、好きなことや楽しいことが起きるとたちまち元気になります。また、うつ病は食欲もなく不眠状態が続くのに対し、非定型うつ病では過食・過眠傾向に。
そのため、周囲には「甘えている」「わがまま」などと思われ、本当に体調が悪いことを信じてもらえません。他人の言動にとても敏感になり、ほんのささいなことで気分が落ち込んだり、あるいは怒りを爆発させたりするなど、感情の抑制が効かなくなります。パニック発作を起こす人もいます。
甘えやわがままと誤解されがちな病気
非定型うつ病は「性格の問題」「甘えているだけ」などと思われがちです。もちろん、気分の浮き沈みは誰にでもありますが、それが度を超して激しくなるのが、この病気の特徴です。子どもの頃から「良い子」と言われてきた人がかかりやすいとされています。
非定型うつ病は、励ますことも必要
従来のうつ病は、周囲の人が「がんばれ」と励ますのは絶対にタブーです。自分自身を追い込んでしまうことになるからです。しかし、非定型うつ病であると明確に診断された場合には周囲の人の接し方も異なります。行動を起こさせるための多少の励ましは、本人の背中を押して、良い結果をもたらします。