食生活とメンタルヘルス

ストレスには、人間関係や環境など、さまざまな要因が絡んでいますが、食生活の乱れも無関係ではありません。なぜなら、私たちはストレスを脳で感じますが、その脳を働かせているのは他でもない食べ物だからです。

心に負担がかかる偏った食生活を続けていないか、自分の生活を振り返ってみませんか。

こんなことはありませんか?

おにぎりやパンだけの
食事が多い

朝食はほとんど
食べない

チェックがついたあなたは、食事バランスが崩れて、栄養が不足している可能性大!
知らず知らずのうちに、心にも負担がかかっているかもしれません。

たんぱく質が不足すると

セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリンなどのメンタルヘルスに関連の深い神経伝達物質は、たんぱく質からつくられます。おにぎりやパンだけなどの偏った食事が多いとたんぱく質が不足し、神経伝達物質の材料が不足してしまいます。

ビタミンB群が不足すると

たんぱく質をアミノ酸に変え、脳の栄養や神経伝達物質の材料にするのにも、ブドウ糖からエネルギーをつくるのにも、ビタミンB群が不可欠です。植物性たんぱく質や精製食品ばかり食べていると、ビタミンB群が不足しがちに。

鉄分が不足すると

鉄は酸素を運ぶヘモグロビンの材料。不足すれば貧血になり、脳に十分な酸素を運べなくなる他、ブドウ糖をエネルギーに変える力も弱まります。これも脳の機能低下を招く原因の一つ。肉や魚の赤身に含まれるヘム鉄の補給が特に大事です。

食物繊維が不足すると

セロトニンなどの神経伝達物質は、脳だけでなく、腸でもつくられるといわれています。そのため、活発な腸の働きが大切ですが、食物繊維が不足すると腸の働きが悪くなり、脳にも影響が。

ビタミンCとカルシウムが
不足すると

ストレスがかかると、ビタミンCとカルシウムが消耗されます。ストレスが多いほどどちらも必要な上、不足すると脳もストレスの影響を受けやすくなります。

脂肪酸が不足すると

実は、脳の約60%は脂質でできており、魚の脂質に多いDHAなどの不飽和脂肪酸が脳細胞の働きを活性化させるといわれています。この脂質が不足すると、脳が疲れやすくなる可能性も考えられます。

食生活の改善でストレスに強くなる!

食生活を整えることで、ストレスに負けない体づくりをサポートしましょう。
できそうなことから少しずつ始めてみませんか。

朝食を食べよう

朝食は、脳を目覚めさせ、1日を元気に始めるためのエネルギー源。また、1日のリズムをつくる大きな要素の一つでもあります。食事のリズムが整うと、日中の活動や睡眠のサイクルも自然に整い、ストレス管理にもつながります。

炭水化物だけの食事には
たんぱく質をプラス

炭水化物だけの食事は血糖値の急上昇・急下降を引き起こし、体に負担がかかるだけでなく、脳の働きをも不安定にします。必要な栄養素が不足すると、心の病気の要因にも。

菓子パンやおにぎり、トーストなど炭水化物のみで食事を済ませずに、たんぱく質を加えて。ゆで卵やチーズ、ヨーグルトなら取り入れやすく、無理なく続けられます。

ヘルシー志向にご用心

高エネルギー・高脂肪の食事は、健康にとって大敵と思われがちですが、これを避けるあまりにお肉などをほとんど食べず、野菜や果物と少量の主食のみの食事に偏ってしま
うと、今度は栄養不足
を招きます。何事も
過度にならず、ほど
ほどを心掛けて。

一品は温かいものを

冷たい飲み物や生野菜ばかりとっていませんか?

冬でも氷入りの水を出すお店も多く、現代人は体を冷やしがち。加えて、湯船につからずシャワーのみで済ませたり、運動不足が続いたりすると、血行は悪くなる一方です。

血行が悪くなると、新陳代謝やセロトニンなどの神経伝達物質の産生も低下。朝起きてもスムーズに体温が上がらず、朝からつらく、元気も出ません。

食事の際には、最低一品、スープなど温かいものを取り入れてみてください。温かいものが並ぶ食卓は、体だけでなく、心も温めてくれるものです。

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