臨床心理士、心理学博士 関屋 裕希せきや ゆき

東京大学大学院医学系研究科精神保健学分野客員研究員。早稲田大学第一文学部心理学専修卒業、筑波大学大学院人間総合科学研究科発達臨床心理学分野博士課程修了後、2012年より現所属にて特任研究員として勤務。専門は産業精神保健(職場のメンタルヘルス)。業種や企業規模を問わず、ストレスマネジメントに関する講演、コンサルティング他、執筆活動を行っている。

前向きに、くよくよ悩む

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過去のことを思い出してくよくよ考えてしまうこと、ありますよね。仕事でミスをしてしまったとき、誰かに余計な一言を言ってしまったとき。考えてもしょうがないと頭では分かっていても、「何でもっと注意しなかったんだろう」「どうしてあんなことを言ってしまったんだろう」……と繰り返し考え続けてしまいます。ぐるぐる考え続けていると、次第に気分も落ち込んできて、マイナス感情にどっぷりつかってしまう、なんてことも。しかも、考えないようにしようと頑張れば頑張るほど、そのことがかえって頭に浮かんでくるのです。

心理学の研究に「シロクマ実験」と呼ばれる実験があります。実験の参加者は「シロクマのことを考えないように」と言われますが、シロクマを思い浮かべないようにしようとすればするほど、頭の中がシロクマだらけになってしまうというもの。考えないようにすればするほど、かえってそのことを考えてしまう、という現象の検証です。

そこで、試してみてもらいたいのが、「くよくよタイム」をつくること。やめたくてもやめられないのなら、くよくよする時間をあえて自分からつくってみるのです。例えば、今から15分間を「くよくよタイム」として、その間、徹底的にくよくよしてみましょう。ああすればよかった、こうすればよかった……こんな具合に、くよくよと考えて考えて考え抜いてください。

試してみると、不思議なことに、あんなに頭から離れなかった「くよくよ」がスルッと手放せたりします。さらに、もうひと工夫を。頭に浮かんでくる「くよくよ」の語尾に「ぽよ」とつけてみてください。

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「どうしてミスをしたんだろう、
仕事ができない人だって思われたに違いないぽよ」

「あんなこと言うなんて。嫌われちゃうぽよ」

「絶対うまくいきっこないぽよ」

どうでしょうか。ふっと笑えて、肩の力が抜けてきませんか。「ぽよ」以外にも、「ぴょん」「なり」「おじゃる」などもおすすめです。好きな漫画のキャラクターや、お笑い芸人の言い回しを取り入れるのも良いでしょう。くよくよ思考に陥ってこわ張っていた心と体がフッと柔らかくなるのではないでしょうか。くよくよ考えてしまうときには、あえての「くよくよタイム」、試してみてくださいね!

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